トイレタンクだけ交換できる?DIYの方法やタンク交換が必要な場合を解説

トイレのタンクから聞こえるチョロチョロという音。「見て見ぬふりをしてきたけれど、水道料金の請求書を見て愕然とした……」そんな経験はありませんか?
築年数が経った住まいでは、トイレタンクの交換は避けて通れない問題かもしれません。
この記事では、トイレタンクの交換を検討しているあなたのために、DIYは可能なのか、交換費用はどれくらいか、そして失敗しないための手順と注意点を徹底的に解説します。
この記事を読めば、あなたの不安が解消でき、解決策が必ず見つかるはずです。
-
トイレのタンクだけ交換はできる?自分でできる?
トイレタンクの交換は、一見すると専門業者でないと難しそうに感じられるかもしれません。しかし、正しい手順と必要な道具、注意点をしっかり理解すれば、自分で交換することも不可能ではありません。
ここでは、DIYで挑戦したい方のために、具体的な方法をわかりやすく解説します。ただし、すべてのトイレでタンクのみの交換が可能なわけではないため、まずはご自宅のトイレタイプを確認することから始めましょう。
-
組み合わせタイプは交換できる
トイレの種類には、大きく分けて「組み合わせ便器」「一体型トイレ」「タンクレストイレ」の3つがあります。このなかで、トイレタンクだけを交換できるのは、組み合わせ便器のみです。
|
タイプ |
交換可否 |
特徴・説明 |
|
組み合わせ便器 |
タンクのみ交換可 |
・便器とタンクが別々の部品として製造され、現場でボルト固定 |
|
一体型トイレ |
便器ごと交換 |
・便器とタンクが一体成形 |
|
タンクレストイレ |
タンクなし |
・水を貯めるタンクがないタイプ |
自宅のトイレが、便器とタンクの間に継ぎ目があるかどうかで、組み合わせ便器を簡単に見分けられます。
-
製造年月日によっては交換できる
自宅のトイレが組み合わせ便器であっても、設置から10年以上経過していると交換用タンクが手に入らない可能性があります。そもそもトイレ本体の耐用年数(寿命)は、約15〜20年といわれており、メーカーが補修用性能部品を保管している期間もこの前後で終了するのが一般的です。
そのため、製造終了から年月が経つと、メーカー側でタンク部品の生産・在庫がなくなる恐れがあります。築20年クラスの住居ではタンクだけでなく便器ごと一式交換になるケースも発生するかもしれません。
まずは、自宅のトイレのメーカー名と型番を確認し、メーカーの公式サイトや問い合わせ窓口で交換用タンクの在庫状況と、同シリーズの製造終了時期をチェックしましょう。もし入手が難しいときは、節水性能など最新モデルのメリットも踏まえて、トイレ全体の交換を検討するのがおすすめです。
-
トイレタンクの種類
交換部品を選ぶ際に必要なのは、自宅のトイレタンクがどのタイプかです。ここではタンクの素材と形を解説します。
-
トイレタンクの素材
トイレタンクの素材は、主に陶器製と樹脂製の2種類に分けられます。
戸建てやマンションのトイレは、陶器製が多いですが、ユニットバスに設置されているトイレでは、タンクが樹脂製の場合がよくあります。
<特徴>
・陶器製:重量はあるが耐久性が高い
・樹脂製:軽量だが経年で変色や劣化が起こりやすい
また、便器本体が陶器でも、タンクだけが樹脂製というケースも存在するため、見た目だけでなく、軽く叩いてみるなどして素材感を確認しておくと確実です。
-
トイレタンクの形状
トイレタンクの形状は、設置方法によって主に3つのタイプに分類されます。それぞれの特徴を理解し、ご自宅のトイレがどれに当てはまるか確認しましょう。
-
密結タイプ
密結(みっけつ)タイプは、便器の真上に直接乗っているトイレタンクで、現代の住宅で最も一般的なタイプです。
上から見ると長方形に近い形をしており、タンクの下側を覗き込むと、2本のボルトで便器にしっかりと固定されています。
-
平付タイプ
平付(ひらづき)タイプは、タンク本体が便器の後ろの壁に取り付けられている形状のトイレです。便器とタンクの間に少し距離があり、パイプで接続されているのが特徴です。
ユニットバスや、比較的古めの公団住宅などで見られることがあります。タンクを真上から見たときの形状は、密結タイプよりも細長い長方形であることが多いです。壁への固定が必要なため、交換には少し手間がかかります。
-
隅付タイプ
隅付(すみつき)タイプは、その名のとおりトイレ室内のコーナー(角・隅)部分に設置されている形状のタンクです。タンクを真上から見ると、角に収まるように三角形になっているのが特徴です。
平付タイプと同様に、便器とタンクがパイプで接続されており、タンクが高い位置に設置されていることもあります。省スペースで設置できるため、トイレ空間が狭い場合に採用されます。
-
トイレタンクの交換前に準備するもの
DIYでトイレタンクを交換すると決めたら、作業をスムーズに進めるために事前の準備が欠かせません。作業を始めてから「あれがない!」と慌てないよう、必要なものはすべて手元に揃えておきましょう。
最低限、以下のアイテムを準備してください。
・新しいタンク
・ウォーターポンププライヤー
・マイナスドライバー
・モンキーレンチ
・軍手
・不要なタオルや雑巾
・ビニールシートや新聞紙
・新しいパッキン
また、水漏れが発生する恐れがあるため、事前に養生しておくようにしましょう。
-
トイレタンクを自分で交換する方法
準備が整ったら、いよいよ交換作業に入ります。基本的な交換の流れはほとんど同じです。ここでは一般的な密結タイプの交換方法を例に、手順を詳しく解説します。
-
止水栓を閉め、タンク内の水を抜く
作業を始める前に、必ず止水栓を閉めてください。止水栓を閉め忘れると、作業中に水が噴き出し、床が水浸しになる恐れがあります。
止水栓は、トイレの壁や床からタンクにつながる給水管の途中にあり、マイナスドライバーで時計回りに回すと閉まります。
止水栓を閉めたら、トイレのレバーを回してタンク内の水をすべて流し切りましょう。水が空になったら、タンクの底に少量残った水をタオルや雑巾で吸い取り、完全に取り除いてください。
-
給水管を外す
次に、タンクに水を供給している給水管を取り外します。まず、重い陶器製のタンクのフタを静かに持ち上げ、割らないように安全な場所に置いてください。手洗い付きタンクの場合は、フタの上にある手洗い菅と接続している細いホースも忘れずに取り外します。
そのあと、ウォーターポンププライヤーやモンキーレンチを使い、タンクと給水管を接続しているナットを緩めて外します。このとき、ナットの内部にあるゴムパッキンが古いと固着していることがあるので注意しましょう。
また、給水管や手洗い用ホースを取り外した際に出てくる古いパッキンは、劣化しているため再利用せず、必ず新しいパッキンに交換します。
-
タンクを取り外す
給水管が外れたら、いよいよタンク本体を取り外します。タンクは、便器に2本の密結ボルトで固定されています。
タンクの下を覗き込み、便器の裏側からナットで締められているボルトを探してください。モンキーレンチを使って、ナットを左右均等に少しずつ緩めて取り外します。
陶器製のタンクは、10〜20kgと非常に重く作業スペースも狭いため、持ち上げる際に腰を痛めないよう、また落下させて破損しないよう細心の注意を払いましょう。
-
新しいタンクを取り付ける
古いタンクの取り外しが完了したら、新しいタンクを設置します。基本的には、取り外したときと逆の手順でおこなえばOKです。
便器とタンクの間に新しい密結パッキンを設置し、その上から新しいタンクを静かに乗せます。(パッキンがないトイレタンクもあります)
密結ボルトを穴に通し、下からナットで固定します。このとき、ナットを閉めすぎによるタンクの破損を防ぐために、最初から工具を使いません。まずは、ナットを手で限界まで締め、最後にモンキーレンチで軽く締めるのがコツです。
また、給水管を取り付ける際も、新しいパッキンを装着して接続してください。
-
止水栓を開けて動作確認をする
すべての部品の取り付けが完了したら、取り外していたタンクのフタをもとに戻します。
その後、閉めていた止水栓を、反時計回りにゆっくりと開けてタンクに給水します。
水が貯まったら、レバーをひねって水を流し、動作確認をおこないましょう。とくに注意したいポイントは、水漏れがないかの確認です。
給水管の接続部分や、タンクと便器の接合部分などを手で触ってみて、水がにじんでこないかをチェックします。一度だけでなく、少し時間を置いてから2〜3回水を流し、問題がないことを入念に確認することが重要です。
-
自分でトイレタンクを交換するメリット
トイレタンクの交換を自分でおこなうのは、いくつかのメリットがあります。費用面だけでなく、業者を呼ぶ手間がかからない点も大きな利点といえるでしょう。
主なメリットは以下のとおりです。
・交換費用を抑えられる
・すぐに交換できる
・業者を手配する手間がなくなる
複数の業者から見積もりを取ったり、スケジュールを調整したりといった手間を省けます。
-
自分でトイレタンクを交換するデメリット
メリットがある一方で、自分で交換するには相応のデメリットとリスクがともないます。安易に交換すると、かえって費用が高くつく恐れがあることを理解しておく必要があります。
主なデメリットは以下のとおりです。
・万が一、取り付けに失敗して水漏れを起こした場合、床や階下への水濡れ損害など、修理費用が莫大になる恐れがある
・慣れない作業のため、予想以上に時間がかかることがある
・ある程度の技術と知識が必要
・古いトイレタンクの処分が大変
・タンクが重くて一人では作業が大変
とくに、タンクの取り扱いに注意が必要です。
-
トイレタンクを交換するときの注意点
DIYでの交換を成功させるには、いくつか守るべき注意点があります。重大なトラブルにつながる恐れがあるため、必ず念頭においてください。
-
必ず交換前に止水栓を閉める
交換作業を始める前には、必ず止水栓を閉めて、タンクへの給水を完全に止めてください。
もし止水栓を開けたまま作業を始めてしまうと、給水管を外した瞬間に水が噴き出し、トイレ全体が水浸しになる大惨事につながります。作業完了まで、止水栓は決して開けないようにしましょう。
-
なるべく1人で作業しない
陶器製のタンクはとても重いため、一人での作業は極力避けるようにしてください。
狭いトイレ空間で重いタンクを持ち上げ、位置を調整しながらボルトで固定するのは至難の業です。無理に一人で作業しようとすると、タンクを落下させて新しいタンクや便器を破損させたり、腰を痛めたりといった怪我につながる危険性があります。
安全のためにも、必ず二人以上で作業することをおすすめします。
-
便器と同じメーカーのタンクを用意する
トイレの便器とタンクは、基本的に同じメーカーの同じシリーズでセットとして設計されています。そのため、交換用のタンクを用意する際は、現在使用している便器と同じメーカー、同じ型番に対応した製品を選ぶことが大切です。
デザインが似ているからといって、他メーカーのタンクを取り付けようとしても、サイズや排水の仕組みが合わず、正常に機能しないだけでなく、水漏れの原因にもなります。
なお、最新のタンクと古い便器を組み合わせた場合も、不具合が起こる恐れがあるため注意が必要です。
-
ナットは均等に締める
左右2つのナットは、必ず交互に少しずつ、均等に締めていくことが鉄則です。
もし、片方のナットだけを先に強く締めてしまう「片締め」をおこなうと、タンクに不均等な力がかかり、驚くほど簡単にパキッとヒビ割れしてしまいます。
これは、力の弱い方でも起こりうる現象なので、焦らず慎重に左右均等に締め込むことを徹底してください。
-
難しい・不安と感じたら無理に交換しない
この記事を読んで、少しでも「自分には難しそうだ」「失敗するのが怖い」と感じたら、決して無理に自分で交換しようとしないでください。
中途半端な知識や自信のない状態での作業は、水漏れなどの大きなトラブルを引き起こす元凶となります。専門の業者に依頼すれば、交換費用はかかりますが、確実・安全に交換作業を完了させてくれます。
DIYはあくまで自己責任でおこなうもの。不安を感じた時点で、プロに任せるという判断は賢明な選択です。
-
トイレタンクの交換が必要なケース
そもそも、どのような状態になったらトイレタンクの交換を検討すべきなのでしょうか。交換が必要となる代表的な劣化のサインを解説します。
-
トイレタンク本体にヒビや割れがある
トイレタンクの表面や内部に、明らかにヒビが入っていたり、一部が欠けていたりする場合は、すぐに交換が必要です。
ヒビや欠けは、物をぶつけたときの衝撃や、経年劣化によって発生します。今は水漏れしていなくても、水圧や僅かな振動で徐々にヒビが広がり、いずれ水漏れにつながります。
少量の水漏れでも、床材を腐らせたり階下へ被害を及ぼしたりする恐れがあるため、ヒビ割れを発見したら早急に交換を検討してください。
-
結露防止剤が膨張している
トイレタンクの内側には、タンク表面の結露を防ぐために発泡スチロール製の断熱材(結露防止剤)が貼り付けられています。これが経年劣化で水分を含むと、風船のように膨張したり、ボロボロに剥がれたりすることがあります。
膨張した断熱材が、タンク内部のボールタップやフロートバルブといった部品に影響します。「水が止まらない」「レバーがもとに戻らない」「タンク内の水が変色する」などの不具合を引き起こすため注意してください。
この状態になると、内部部品の交換だけでは解決しません。そのため、タンク自体の交換が必要です。
-
タンク内のパイプが傷ついている
トイレタンク内には、給水管から送られてきた水を貯めるためのパイプや、便器へ水を送るためのオーバーフロー管など、複数のパイプ部品があります。
これらのパイプが経年劣化で傷ついたり、接続部分のナットが緩んだりすると、タンク内での水漏れの原因となります。
とくに、水を流すたびにタンクの底から便器へチョロチョロと水が漏れ続ける場合は、タンク内のパイプや、水をせき止めているフロートバルブという部品の劣化が原因である恐れが高いです。
-
トイレタンクの交換を業者に依頼した際の費用は?
DIYが難しいと判断した場合、まず気になるのが業者に依頼した際の費用です。節水性能が高く、人気のある最新モデルのトイレタンクへ交換を業者に依頼すると、製品代・工事費・古いタンクの処分費を合わせて約10〜12万円が相場です。
一方、便器とタンクをセットにしたトイレへ丸ごと交換した場合の費用相場は、約15〜33万円。タンク交換とトイレ一式交換する費用差は、それほどありません。将来的な安心や節水効果を考えると、人気の節水トイレに全面リニューアルするのも一つの手段です。
なお、部材を自分で購入してDIYでトイレタンクを交換する場合は、節水タンクであっても5〜6万円が目安です。
-
トイレタンクの交換なら水のトラブルサポートセンターまでご相談ください!
トイレタンクを交換する際は、交換できるトイレの種類や作業前の準備、交換時の注意点などを理解することが大切です。
DIYでの交換は費用を抑えられるメリットがありますが、水漏れなどのリスクもともないます。少しでも作業に不安を感じたり、自宅のトイレが交換可能か判断に迷ったりした場合は、無理をせず専門家にご相談ください。
「水のトラブルサポートセンター」では、トイレに関するあらゆるお悩みに対応しております。また、キッチンや洗面所の水漏れ、リフォームも承っています。見積もりは無料なので、お気軽にご相談ください。
【水トラブルのことなら】どんな小さなことでもお気軽にご相談ください!
【受付時間】24時間365日対応|お見積り0円・出張費0円・深夜割増0円
関連記事
水トラブログのコラム一覧-
北海道・東北エリア
-
信越・北陸エリア
-
関東エリア
-
東海エリア
-
関⻄エリア
-
中国エリア
-
四国エリア
-
九州・沖縄エリア
※一部対応できないエリアがあります。
※随時対応エリアを拡大しております。詳しくはお問い合わせください。
水トラブログ編集部
最終記事更新日:2019.07.25

WEB限定割!最大3,000円割引








Twitter
Facebook
LINE