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最終更新日：2025.11.28 お役立ち情報キッチン

キッチンの蛇口は自分で交換できる？種類や交換方法、注意点を解説

キッチンの蛇口は、毎日の料理や掃除で使う重要な設備ですが、長く使用していると水漏れなどのトラブルが起こることがあります。
そんなときに、蛇口の交換を検討しますが、「自分でできる作業なのか」「交換時の注意点はあるのか」など、不安に感じる方も多いでしょう。

実は、キッチンの蛇口交換は正しい知識と手順さえ押さえれば、資格がなくても自分でおこなうことが可能です。

この記事では、キッチン蛇口の交換方法や種類、必要な道具、交換する際の注意点について詳しく解説します。　

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キッチンの蛇口は自分で交換できる？

正しい手順と道具があれば、蛇口交換は自分でできます。詳しく見ていきましょう。

正しい手順と道具があれば自分でできる

キッチンの蛇口は、正しい手順と必要な道具が揃っていれば、自分で交換することも可能です。

資格は不要で、キッチンの種類や既存の蛇口の取り付け方にもよりますが、ドライバーやレンチなどの一般的な工具で対応できることがほとんどです。しかし、新しい蛇口の選び方や交換方法の知識や理解が前提となります。
とくに重要なのは製品選びです。現状のキッチンの蛇口に合うかどうかを確認します。

適合しない蛇口を取り付けると、水漏れなどのトラブルの原因となることがあります。購入前に寸法や取り付け方をチェックし、交換手順を理解したうえで作業をおこなうことが大切です。

自分で交換することが困難な場合

上記で自分でも交換は可能と解説しましたが、以下の3つの条件に当てはまる場合は業者へ依頼することが推奨されます。

・部品が硬く、自力で外せない場合
・配管が裏側にあり見えない場合
・給水・給湯管に破損がある場合

長期間使用している蛇口は、部品が硬くなってしまうことがあります。このような場合は、一般的な工具で外すことが難しく、無理に力を加えると部品が破損する恐れがあります。とくにネジの頭がなめてしまうと、取り外すのに大きな手間がかかるため、無理に作業をおこなうのは避けましょう。

また、配管が壁の裏側などに隠れている場合も、自分一人での作業は困難です。見えない場所での作業はトラブルの原因になりやすいため、業者に依頼するのが安全です。

さらに、給水・給湯管が破損している場合は、修理や交換が必要となり、資格がなければ作業ができません。このような場合も、専門の業者に依頼することが安全でしょう。

賃貸住宅の場合は交換前に確認が必要

賃貸住宅に住んでいる場合は、自分で交換せずに大家や管理会社へ連絡する必要があります。

経年劣化での交換であれば、大家さんや管理会社が提携している工務店が作業をおこない、修理費用も負担してくれることが多くあります。
大家さんや管理会社の了承を得ずに勝手に蛇口を交換すると、退去時にトラブルに発展するケースもあるため注意が必要です。

キッチン蛇口の交換前に確認しておきたいこと

次に、キッチンの蛇口の交換前に掃除や修理で改善できるのか確認しましょう。　

掃除や修理で改善できるか

キッチンの蛇口に不具合がある場合でも、交換前に掃除や修理で改善できることがあります。

とくに水が出にくい・出るまでに時間がかかる場合は、蛇口の内部にゴミや汚れが詰まっていることが原因の一つかもしれません。その場合は、歯ブラシなどで内部を掃除し、詰まりを取り除くと水の流れがスムーズになるでしょう。

また、新しいタイプの蛇口であればパッキン交換で改善する場合もあります。掃除やパッキンは修理費用も安く抑えられるため、まずこれらの方法を試してから、必要に応じて修理や交換を検討するのがおすすめです。

蛇口を設置してからの経過年数

先述したように、キッチンの蛇口を修理で改善する場合はパーツ交換で対応が可能です。しかし、蛇口を設置してから長期間経過している場合だと、パーツ自体が廃盤となっている恐れがあります。

メーカーや商品によって多少の前後はありますが、目安としては使用年数が10年を超えている場合は、パーツが廃番になっていることが多くなります。パーツが廃番であれば修理ができませんので、このような場合は蛇口本体交換を検討したほうがよいでしょう。

キッチン蛇口の種類

蛇口の種類には、単水栓と混合栓の2種類があります。

単水栓

単水栓とは、水かお湯のどちらかのみが出てくるタイプのことを指します。ハンドルを捻り吐水・止水するだけのシンプルな構造ですので、近年ではキッチンで使用されていることはほとんどないでしょう。

混合栓

混合栓とは1つの蛇口からお湯と水の両方を出せるタイプのことを指します。水栓器具の中でそれぞれの量を調節し、温度調整できるのが特徴です。

混合栓の主な3種類を紹介します。

2ハンドル混合水栓	水とお湯それぞれにハンドルがついている
シングルレバー混合水栓	ハンドルは一つですが、水の量や水温、水圧を調整することが可能
サーモスタット混合水栓	設定温度に自動で調節が可能

キッチン蛇口のタイプ

蛇口のタイプは主に3タイプあります。それぞれに特徴がありますので、ご自宅の蛇口がどのタイプに当てはまるか確認してみましょう。

キッチン用ワンホール

ワンホールタイプの蛇口とは、キッチン天板に取りつけられるための取り付け穴が1つだけの蛇口を指します。
この穴のサイズは基本的にメーカー共通のため、蛇口メーカーを変更しても取り付けが可能です。

このタイプには、「普通吐水」「シャワータイプ」「卓上型食洗機用の分岐蛇口」「浄水器内蔵型」「浄水器ビルトイン型」などがあり、機能に応じて選ぶことができます。

ただし、生ゴミ処理機能と連動しているタイプの蛇口は、自分で交換ができない点に注意が必要です。

キッチン用ツーホール（台付き）

ツーホールタイプの蛇口は、天板に横長の台があり、2つの取付穴が設けられています。穴から穴への距離は、メーカー共通規格であることが多いため、こちらも交換時に別メーカーの蛇口を選ぶことも可能です。　

種類としては、「普通吐水」「シャワータイプ」「ミニキッチン用」「簡易取付タイプ」の4種類があります。
2ハンドル式からレバー式、あるいはその逆への変更や、浄水器内蔵タイプへの交換にも対応が可能です。

キッチン用壁付き

壁付きタイプの蛇口はキッチンの壁に直接取り付けられ、水とお湯の給水管が分かれています。

交換時は、給水管の間隔（105～225ミリ程度）を確認する必要がありますが、同じ壁付タイプであれば型式の変更もできます。
種類は、「普通吐水」「シャワータイプ」「2バルブタイプ」などがあり、2ハンドルからレバー式、またはその逆の変更や、蛇口一体型浄水タイプへの交換にも対応できます。

キッチン蛇口にあると便利な機能

便利な機能もさまざまあり、具体的には、引き出しホース、浄水機能、シャワー切替、タッチレス機能などがあります。具体的にご説明します。

引き出しホース

引き出しホース付きの蛇口は、シンク内の掃除や大きな食器を洗う際にとても便利なタイプです。
ホースを引き出し、遠くまで水を流すことができるため食器を動かさずに洗浄でき、手や腕の負担を軽減できます。また、シンクの隅々まで水をいき渡らせることができるため、汚れをしっかり洗い流せるのも特徴です。

浄水機能

蛇口に浄水器が内蔵されているタイプは、レバーを動かすだけで簡単に浄水モードに切り替えられます。
通常、浄水器を設置する場合は、天板に穴を開けるなどの工事が必要となりますが、内蔵型ならそのような作業は不要です。

カートリッジを定期的に交換することで、いつでも自宅の水道から浄水された水を飲むことができます。手軽に清潔な水を利用できるので、日常の調理などに便利な機能です。

シャワー切替

シャワー切替機能がある蛇口は、用途に応じて吐水方法を切り替えられるため便利です。
たとえば、水をくむときは飛び散りにくい「通常の吐水」に、食器を洗うときはお皿全体に水が行き届きやすい「シャワー吐水」に切り替えます。そうすることで、水を無駄にせず効率よく使用できます。

タッチレス（自動）

タッチレスは、手をセンサーにかざすだけで水を出したり止めたりできる蛇口です。
調理中や手が汚れているときでもハンドルを触る必要がないため、キッチンを清潔に保てる便利な機能です。

ただし、本体価格が他の蛇口よりも高めで、使用には電源が必要です。そのため、自分で交換することはできず、設置する場合は電源工事が必要になることがあり、工事費が追加でかかる場合もあります。導入する際は慎重に検討しましょう。

節水・エコハンドル

エコハンドルとは、お湯と水を切り替える位置に仕切りがついているタイプのハンドルです。
通常のレバー水栓は、少しお湯側にレバーを傾けるだけで給湯が始まるため、気付かないうちに光熱費がかかってしまうことがあります。

一方、エコハンドルは水とお湯とを明確に切り替えられるため、無駄な給湯を防いで、光熱費や水道代が節約できる省エネ設計です。

キッチン蛇口の交換前に準備すること

ここからは、蛇口を交換するにあたって必要な準備内容をご説明します。

必要な道具を用意する

キッチンの蛇口の交換作業を始める前に、必要な道具をあらかじめ用意しておきましょう。道具が揃っていないと作業が中断してしまう恐れがあるので、事前の確認が大切です。

必要な道具は以下のとおりです。

・新しいキッチン蛇口
・モンキーレンチ
・ウォーターポンププライヤー
・プラス、マイナスドライバー
・タオル、雑巾
・新聞紙、ダンボール（床の養生用）

これらの道具をそろえておくことで、スムーズに作業を進めることができます。

シンク下の整理と養生をする

シンク下に物を収納している場合は、作業しやすいようにあらかじめすべて取り出しておきましょう。また、作業中に水漏れや汚れが落ちる恐れがあるため、床には新聞紙や段ボールを敷き、養生しておくと安心です。

止水栓を止める

作業を始める前に、誤って水が出てこないように止水栓を止めましょう。止水栓は手で回すタイプとドライバーで回すタイプがあり、それぞれ手でしっかり閉めるか、マイナスドライバーで時計回りに締めてください。

止水栓は一般的にはシンク下に設置されていますが、見当たらない場合や固くて回らない場合は、屋外にある建物全体の元栓を閉める必要があります。
水漏れやトラブルを防ぐためにも、止水がしっかりできているかを確認してから作業するようにしましょう。

【タイプ別】キッチン蛇口の交換方法

蛇口のタイプにより手順や工具が異なりますので、それぞれ確認しましょう。

ワンホール

ここでは、一般的なワンホールタイプの交換方法を順を追って解説します。

①止水栓を閉め、水抜きをする
まずはシンクの下にある止水栓を止め、水抜きをしましょう。シンク下に見当たらなければ、屋外にある元栓を止めてください。

②既存の水栓を撤去する
次に、モンキーレンチなどで固定金具を緩め、既存の水栓を撤去します。
このとき、外した部品やナットは紛失しないように注意しましょう

③取付穴周辺をきれいに掃除する
水栓を外したタイミングで、取付穴の周りを掃除します。普段は掃除できない部分ですので、この機会にしっかり汚れを取り除きましょう。

④台座、本体を取り付ける
新しい水栓の台座をセットし、本体を固定します。緩みがあると使用中にぐらつく原因となるため、しっかりと固定しましょう。

⑤給水管と給湯管を接続する
シンク下で、給水管と給湯管をそれぞれ正しく接続します。接続が甘いと水漏れの原因になるため、しっかりと取り付けましょう。

⑥固定し、漏水チェックをおこなう
すべての部品を固定したら、止水栓を開けて通水します。
水が正常に出るか、また接続部からの漏水がないかを確認しましょう。

ツーホール（台付き）

ツーホールタイプも基本的な交換手順は、ワンホールタイプと同じです。
異なる点としては、台座が大きいため汚れをしっかり掃除することが重要です。水垢汚れにはクエン酸を使用すると効果的です。

また、取り外す際は左右を平行に持ち上げるように注意してください。傾けてしまうとホースが外れにくくなることがあります。

壁付き

最後に、壁付きタイプの交換方法を順を追って解説します。

①家の元栓を閉める
壁付きタイプの水栓は、取付脚が止水栓の役割を持つため、屋外にある家の元栓を閉めます。

②水栓を取り外す
次に、金具を緩めて水栓のみを取り外します。

③取付脚を取り外す
取付脚は、反時計回りにすると取り外すことができます。

④管の周辺を掃除する
長期間使用すると錆や汚れが付着しているため、しっかりと掃除しておきましょう。

⑤取付脚にシールテープを巻く
時計回りにシールテープを巻きます。取付脚を装着する際に、回す方向と同じになるようにします。

⑥取付脚を設置する
壁と平行になるように回して固定します。回しすぎるとシールテープが破けるため、うまくいかなければ巻き直します。

⑦水栓を取り付け、漏水チェックをおこなう
最後に水栓を設置し、漏水チェックをおこない作業完了です。

自分でキッチン蛇口を交換する際の注意点

ここからは、自分で交換する際の注意点を紹介します。

取付部に対応する蛇口を選ぶ

蛇口の取付穴のサイズは、共通のものもありますが、メーカーによって異なる場合があるので、購入前の確認が非常に重要です。

また、既存の蛇口がワンホールタイプの場合に、ツーホールタイプの新しい蛇口を購入して選んでしまった場合も、自分で取り付けることができません。取付穴の増設などは個人では難しく、業者に依頼する必要があるからです。購入前に必ず取付穴の口径やタイプを確認し、適合する蛇口を選ぶようにしましょう。

電気工事が必要な場合は自分で交換できない

タッチレス水栓などの電源を使用する蛇口に交換する場合、シンク下にAC電源が必要です。

設備がない場合は、電源を引き込む移設工事が必要ですが、この工事をおこなうためには電気工事士の資格がなければおこなえません。
無資格で作業すると電気工事法違反（※）となり、罰則の対象となるほか、知識不足による事故のリスクもあります。そのため、電源工事をともなう蛇口交換は必ず資格を持つ業者へ依頼しましょう。

※参照：経済産業省「電気工事の安全」