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最終更新日：2025.10.24 お役立ち情報トイレ

バリウム便が流れない！トイレが流れない原因・対処法・未然に防ぐ方法を紹介

健康診断や人間ドックのあと、「バリウム便がトイレで流れない」という悩みを抱える方もいるかもしれません。バリウムの混ざった便は通常と違い固まりやすく、トイレにこびりつき取れなくなる、流れずに詰まりの原因となる場合があります。

とくに節水型トイレを使用している家庭では、水の勢いが不足し、便器や排水管に詰まるリスクが高まる傾向があります。そうしたトラブルは突然起こりがちで、いざというときに焦ってしまう方も少なくありません。

この記事では、バリウムを飲んだあとの便が流れにくい原因や、流れなくなってしまった場合の対処法、未然に防ぐ方法などを解説します。

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バリウム便がトイレで流れない原因

バリウムを含む便は、通常の便とは違う性質を持っているため、流れなくなっています。

以下、3つの理由について説明します。

固形化しやすい

検査のときは、飲みやすい且つ内臓の形状に柔軟に対応するため液体状になっています。
しかし、もともとは金属製のため、検査後は胃の中の食物と合わさって固形化していきます。
排出までに時間がかかると更に固くなっていき、トイレに固い石を流しているような状態になります。

水より重い

バリウムは「硫酸バリウム」という金属とさまざまな添加物から成っています。
重さが水の3.5倍にもなり、通常の便よりはるかに重い便になります。そのため、便器の底に沈んで付着して流れなくなります。

節水型トイレでは水の勢いが弱い

昨今、人気が高まっている節水型トイレ。必要以上の水を使わないように設計されており文字通り節水機能が魅力的ですが、節水型ではないトイレより、やはり水の勢いは弱いのです。もしお使いのトイレが節水型トイレだった場合、バリウム検査の後は注意が必要になります。

粘着性が高い

バリウムは粘着性があるため、便器の内側や排水管の壁にこびりつきやすい特徴があります。そもそもバリウムには、胃の粘膜に密着させるための粘着剤が含まれており、体内では水分が吸収されることで粘度がさらに高まります。その結果、排出されたときには強い粘着性を持ち、便器に張り付いて乾燥・固着しやすくなり、非常に流れにくくなるのです。

さらに、排便後にしばらく水を流さずに放置すると、バリウムが空気に触れて急速に乾燥し、石のように硬くなることもあります。一度固まってしまうと通常の水圧では流しきれず、ブラシや洗剤でも簡単には落ちません。

水に溶けない

バリウムは化学的に水に溶けない物質です。これは、胃に入った際に均一な濃度を保ち、粘膜にしっかり付着させるため、あらかじめ水に溶けないよう設計された添加物が含まれているためです。通常の便は多少時間を置けば柔らかくなり流れやすくなりますが、バリウム便は水に触れても変化せず、徐々に溶けていくこともありません。

さらに、近年の節水型トイレでは水量や水圧が抑えられているため、水に溶けないバリウムを流すには力が不足しがちです。その結果、バリウム便が便器の底に沈殿しやすくなり、十分に流れきらずに残ってしまうことがあります。沈殿したバリウムは時間が経っても自然に溶けて流れることはなく、便器の表面にこびりついてしまうため、早期の対処が重要です。

バリウム便がトイレで流れないときの対処法

バリウム便が流れなくなった場合でも、ご自身で対処できる方法はいくつかあります。
そのうちの3つをご紹介します。お困りの際はぜひ試してみてください。

トイレブラシでバリウム便を取り除く

トイレ掃除用のブラシを使います。便と便器の間にブラシを入れて少しずつ剝がしていきます。粘着性が高いので、剥がすのには時間がかかります。根気よくおこないましょう。

しかし、トイレブラシで対応できるのは微量の便の場合です、量が多い場合は、一旦大きな固まりを取り除く必要があります。その際は、肘くらいまである長いゴム手袋を付けて、直接手で取り除くのが一番有効的です。固まりの状態でブラシを使ってしまうと、ブラシにへばりついてブラシ自体が使えなくなることもあります。ある程度、取り除いて少量になってからブラシを使うようにしましょう。

また、金属タワシなどの固い物は使わないように注意してください。便器に傷がついて別のトラブルを招きかねません。トイレ掃除用の柔らかいブラシを使うようにしましょう。

ぬるま湯でバリウム便を柔らかくする

固形化したバリウムはお湯で柔らなくなる性質をもっています。お湯をかけることによって少しずつ溶けて流れていきます。

温度40℃～50℃のお湯を用意します。熱いお湯のほうがより溶けるように思いがちですが、50℃以上のお湯を使うと便器が破損する恐れがありますので、注意してください。

お湯が用意できたら、できるだけバリウム便にあたるように注いでいきます。周辺の水が白く濁ってきたら溶けている証拠です。溶け切ってしまうまで、何回か繰り返してみましょう。ある程度、溶けて微量になったら前述のブラシを使うこともできます。

割りばしなどを用いてバリウム便を取り除く

目視できるところに固まりがある場合は、割りばしを使うと取り除くことができます。
便器に張り付いていることもあるので、割りばしを使って少しずつほぐしながら剥がしてみましょう。取れないからといって、力を入れすぎないように。便器を傷つけてしまうこともあります。

ラバーカップ（スッポン）でバリウム便を取り除く

トイレ詰まりといえば「ラバーカップ（スッポン）」が代表的な道具です。便器の排水口にカップ部分を密着させ、押し引きを繰り返すことで水圧を発生させ、詰まりを動かして流すことができます。

バリウム便の場合も、ある程度柔らかく崩れていれば効果的です。ただし、完全に固まりきっている場合は効果が薄く、むしろ奥に押し込んでしまう危険もあるため注意が必要です。使用する前にぬるま湯やブラシである程度崩しておくと、成功しやすくなります。

また、便器内に明らかなバリウム便が見えない場合でも、水が白く濁っていたり、水の流れが悪いと感じるときには、奥の配管部分でバリウム便が詰まっている恐れがあります。その場合も同様に、ラバーカップを使用して水圧をかけることで、見えない詰まりを解消できることがあります。

トイレ用洗剤でバリウム便を溶かして取り除く

市販のトイレ用洗剤を利用する方法も有効です。

サンポールのような酸性洗剤には、バリウムの粘着部分を化学的に分解・緩和する作用があるため、正しい方法で使用すれば効果が期待できます。使用前には必ず洗剤の使用方法を確認し、決められた量を便器に流し入れたうえで、指示された時間しっかり放置し、そのあと水で流しましょう。便器にこびりついたバリウムの表面を柔らかくすることで、ブラシやスポンジによる除去がしやすくなります。

一方で、パイプユニッシュのような排水管用洗剤は、主に油汚れや有機物の分解を目的としており、バリウムや排泄物の詰まりには効果がないため、誤って使用しないよう注意が必要です。誤用によっては排水トラブルを悪化させる恐れもあるため、成分や用途をよく確認したうえで使い分けましょう。

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バリウム便トラブルを未然に防ぐ方法

実際に付着してしまった場合の対処方法をご紹介してきましたが、できれば未然に付着しないようにしたいものです。その点、バリウム便は検査後に排出されるので予測が可能で対策も立てやすいです。
一旦、付いてしまった便を取り除くのは大変なので未然に防ぐ方法を3つご紹介します。

トイレットペーパーを敷く

排便前に便器にトイレットペーパーを敷いておく方法が一番簡単にできる対処法です。

トイレットペーパーがあることで便と便器が直接接触しないようにできるので、そのまま流すことができます。便の上からもトイレットペーパーを被せて流すと更に効果的です。

しかし、トイレットペーパーの量には注意が必要です。多すぎるとトイレットペーパーで詰まりを起こす可能性もあるため、量には注意しましょう。

水をたくさん飲む・下剤を飲む

便の付着を未然に防ぐ方法ではありませんが、付着しづらい便にする方法です。

通常、検査の後で下剤が処方されることが多いです。体内にある時間が長くなったら便はどんどん固くなっていくからです。なるべく早く排出できた方が、身体の負担も軽くなります。医療機関に相談しながら摂取しましょう。

非常用の使い捨てトイレを使用する

もし準備が可能であれば、非常用の使い捨てトイレを使うのも一つの方法です。インターネットやホームセンターなどで購入ができるほか、近年では100円ショップでも販売されています。

使い捨てトイレは、バリウムを使った検査が決まった時点であらかじめ準備しておくと安心です。ただし、自治体によって処分廃棄方法が異なるため、使用後の対応についても事前に確認しておくことをおすすめします。

食物繊維の摂取と軽い運動をする

野菜や果物に含まれる食物繊維を取り、軽いウォーキングなどをおこなうことで腸の動きが促進され、バリウム便が停滞しにくくなります。普段の生活からこうした習慣を意識的に続け、日常的に便秘になりにくい体内環境作りを意識しましょう。これにより、バリウム検査後の便の排出もスムーズになりやすく、トイレトラブルの予防にもつながります。　　

とくに加齢や運動不足、食生活の乱れが原因で腸の働きが鈍くなると、バリウム便の排出が遅れ、腸内に長くとどまることで硬化しやすくなります。検査後だけでなく、普段から腸の健康を意識した生活習慣を続けることが、トラブルを回避するポイントです。

排泄時に水を流し続ける

排便と同時に水を流すことで、便器にバリウム便がこびりつくのを最小限に抑えられます。比較的簡単な対策方法ですが、排便と水を流すタイミングをぴったり合わせることは難しく、水を無駄に消費してしまう恐れもあります。

そのため、とくに下剤を使用したあとの急な便意があるときなどに効果的な方法として活用するのがおすすめです。

この方法は、便器の内側にバリウムが付着する前に水流で洗い流すことができます。しかし、水の量や勢いが控えめなトイレでは、バリウム便を流しきれないこともあるため注意しましょう。

検査直後は院内のトイレを利用する

バリウム検査後の排便は、検査をおこなった病院内で済ませることもトラブルを避ける方法の一つです。病院や公共施設のトイレは、家庭用トイレよりも水量や水圧が強めに設定されている場合が多く、バリウム便でも流れやすくなっています。

最初の排便を院内で済ませることで、便器へのこびりつきや詰まりのリスクを軽減できるため、可能であれば積極的に利用するとよいでしょう。

バリウム便が流れないときの注意点・ポイント

流れないバリウム便に対して、やってはいけない注意点についてご説明します。

自然に流れるのを待たない

少しずつ流れていくので放置する場合もありますが、ほとんどの場合は自然には流れません。

またある程度、時間が経った状態の便を放置するのはおすすめしません。バリウムは粘着性が高いので、何らかの処置をしないと取り除くことが難しいです。時間が経てば固形化も進むので、早めの対処をおすすめします。

固いブラシで便器を傷つけない

トイレブラシの項目でもご案内しましたが、便器を傷つけてしまうような固いブラシやタワシは使わないようにしましょう。便器は陶器製なので一旦傷がついてしまうと修復することが難しく、その傷に新たな汚れが蓄積し、悪臭や詰まりなどを引き起こします。

高温の熱湯をかけない

ぬるま湯を使う項目でもご案内しましたが、熱いお湯の方が効果が高いと思って、ついつい熱湯を使ってしまいそうになりますが、場合によっては便器が割れてしまうこともあります。必ずぬるま湯を使うようにしてください。

強力な薬剤をむやみに使わない

サンポールやパイプユニッシュなどの強酸・強アルカリ剤を多用すると、配管や便器を傷める恐れがあるため、むやみな使用は避けましょう。

とくに塩素系と酸性の薬剤を併用した場合、有毒な塩素ガスが発生する恐れがあり、非常に危険です。

また、浄化槽を使用している家庭では、薬剤の多用がバクテリアの働きを弱め、排水処理能力の低下を招くこともあります。薬剤を使用する際は必ず使用方法を守り、あくまで補助的な手段として活用することが重要です。

対処に困ったら業者へ依頼する

自分で対処法を試しても効果がなかった場合や、対応に不安がある場合は、水回り専門の業者に依頼するのがおすすめです。

業者であれば、家庭では用意が難しい専用の薬剤や機材を使用して、便器を傷つけず安全に詰まりを解消してくれます。

無理に対応しようとして悪化させる前に、まずは業者に相談してみることをおすすめします。

水のトラブルサポートセンターの作業事例

実際に弊社が行った「トイレつまり」の作業事例をご紹介します。

【作業事例1】便器脱着

トイレにメガネを流してしまったとご依頼いただきました。メガネは奥の排管まで流れていたので、便器を外して取り出し作業を行いました。

トラブルの症状：トイレつまり
トラブルの要因：トイレにメガネを流した
作業時間：2時間
作業内容：便器脱着

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【作業事例2】トイレリフォーム

トイレ詰まりでご依頼頂き、高圧洗浄作業を実施しましたがトイレの劣化が激しかったのでリフォームをご提案、作業させていただきました。高級ホテルみたいと、大変喜んでいただけました。

トラブルの症状：トイレつまり
トラブルの概要：経年つまり、トイレの経年劣化
作業時間：詰まり除去→2時間　トイレリフォーム→４時間
作業内容：詰まり除去作業・トイレリフォーム

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バリウム便が流れないでよくある質問

バリウム便が流れない問題で寄せられる、よくある質問を紹介します。

バリウム便がトイレに流れないときはどうすればいいですか？

バリウム便は非常に硬く詰まりやすいため、無理に水を流すと詰まりが悪化する恐れがあります。まずは、バケツなどで多めの水をゆっくり流すか、お湯（40〜50℃）を注いでやわらかくしてからラバーカップ（スッポン）で対応します。市販の詰まり解消剤は効果が薄いことが多く、流れない場合は専門業者に依頼するのが安全です。

バリウムは放置したらそのうち流れてしまいますか？

バリウムは水に溶けにくく、時間が経つと硬化して排水管にこびりつくため、放置しても自然には流れません。逆に放置するほど詰まりが悪化し、排水管の閉塞やトイレの故障につながる恐れがあります。流れにくい場合は、早めにお湯やラバーカップで対応し、改善しないときは専門業者に相談することをおすすめします。

バリウムを飲んで便が流れないのはなぜですか？

バリウムは消化管検査に使われる造影剤で、非常に粘性が高く、水に溶けにくい性質があります。そのため、排泄されたバリウム便は硬く重くなり、トイレの水流では流れにくくなることがあります。とくに一度に大量に出た場合や水量の少ないトイレでは、詰まりやすくなります。

バリウム便を流すコツは？

バリウム便は硬くて重いため、通常の水流では流れにくいことがあります。流すコツとしては、トイレに多めの水をバケツなどで一気に注ぐ、または40〜50℃程度のお湯を注いでやわらかくしてから流すのが効果的です。それでも流れない場合は、ラバーカップ（スッポン）で押し出すようにして対応しましょう。無理に何度も流すと詰まりが悪化するため注意が必要です。

トイレに詰まったバリウムはどうやって取り除きますか？

バリウムがトイレに詰まった場合は、まず40〜50℃のお湯を注いでやわらかくするのが効果的です。その後、ラバーカップ（スッポン）で押し出すようにして詰まりを解消します。これでも改善しない場合は、トイレ用のワイヤーブラシ（トーラー）を使うか、専門の水道業者に依頼する必要があります。強い薬剤は便器や配管を傷める恐れがあるため避けましょう。

パイプユニッシュでバリウムが流れないのはなぜですか？

パイプユニッシュは髪の毛や油汚れなどの有機物を溶かすための洗剤であり、バリウムのような無機物（硫酸バリウム）には効果がありません。そのため、バリウム便の詰まりには効かず、流れを改善することはできません。バリウムの詰まりには、お湯でやわらかくしてラバーカップを使うなど、物理的な方法での対処が必要です。

固まったバリウムを溶かすには？

バリウム（硫酸バリウム）は、水や一般的な薬品には溶けない無機物です。そのため、完全に「溶かす」ことはできません。ただし、40〜50℃のお湯を時間をかけて注ぐことでやわらかくし、排出しやすくすることは可能です。無理に流そうとせず、ラバーカップや排水用ワイヤーなどで物理的に取り除くのが有効です。頑固な詰まりには専門業者への依頼が安全です。

バリウム便が流れないとき、サンポールでどうすればいいですか？

サンポールはバリウム便には効果がありません。サンポールは尿石や水垢などの汚れを落とす酸性洗剤ですが、バリウム（硫酸バリウム）は化学的に非常に安定した物質で、酸でも溶けません。無理に使うと便器や配管を傷める恐れがあります。バリウム便が詰まった場合は、40〜50℃のお湯を注いでやわらかくしてから、ラバーカップで取り除くのが安全です。