「トイレットペーパーを切らしてしまった」というとき、代わりにティッシュペーパーを使ったことがある方も多いのではないでしょうか。一見、同じような紙に見えますが、ティッシュペーパーをトイレに流すことはとても危険です。

この記事では、トイレにティッシュペーパーを流すとどうなるのか、詰まる理由や流してしまった際の対処法などを解説します。

1. 目次

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   トイレにティッシュを流すとどうなるのか？

トイレットペーパーがなく仕方なくティッシュペーパーを流した場合、1回だけ数枚程度なら問題ありません。しかし、毎回毎回使っている、枚数をたくさん使った場合はトイレ詰まりの原因になります。軽微な詰まりであっても、何も対処せずさらにティッシュペーパーを使い続けると、詰まりがどんどん悪化していきます。

詰まったトイレを使い続けると、行き場を失った汚水が便器から溢れてトイレの床や壁にも影響が出ます。集合住宅の場合、下の階にも被害が及ぶかもしれません。ティッシュペーパーを流すことが、大きなトラブルの原因にもなりかねないということです。

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トイレにティッシュを流すと詰まる理由

ティッシュペーパーが詰まってしまう原因はいくつかあります。大きな要因はトイレットペーパーとの性質の違いです。他にもいくつか原因がありますので解説していきます。

1. トイレットペーパーとティッシュの違い

トイレットペーパーとティッシュペーパーの大きな違いは「水に溶ける」かどうか、です。トイレットペーパーは排泄物と一緒に水に溶けながら流れないといけないので、でんぷんを使って水に溶けるように設計されています。

しかし、ティッシュペーパーは用途によって簡単に水に溶けると困るので、湿潤紙増強剤を使って水を含んでも形を維持できるように設計されています。たとえば、鼻をかむのにティッシュペーパーを使って形が崩れてしまったら使いにくくなります。一見同じような紙ですが、その構造はまったく違う物になります。

1. ティッシュで詰まりが起こる理由

やむを得ずティッシュペーパーを使った場合でも、1～2枚程度なら問題ありません。しかし、たとえ少量でも常時使ってしまうと流れなかったティッシュペーパーが排水管のどこかに張り付いてしまい、前述したように形を維持するような性質があるため、そこにさらに汚れなどが蓄積して詰まりが起こることがあります。

また、一度に大量のティッシュペーパーを流した場合も排水管の中で大きな塊となり、居座ってしまうので詰まりの原因になります。

1. ティッシュでトイレが詰まった場合の対処法

ティッシュペーパーでトイレが詰まった場合、他の異物よりも比較的流れやすいので焦らず、下記対処法を試してみてください。

1. そのまま様子を見る

流したティッシュペーパーが1～2枚と少量であり、常時流しているのではないなら、しばらく様子を見てみましょう。少量のティッシュペーパーがどこかに引っかかっても、それ以上使わないのであれば、通常の使用で流れていくことがあります。

しかし、しばらく様子を見てても変化がない、悪化しているように見える場合は他の対処法を試しましょう。また、大量のティッシュペーパーを流したり、常時使ったりしている場合は、他の対処法をお試しください。放置しても解消はしません。

1. お湯を流し、様子を見る

しばらく様子を見ていたが、変化がない場合はお湯を使ってみましょう。ティッシュペーパーはまったく水に溶けないわけではありません。時間がかかりますが、だんだんとほぐれて流れやすくなっていきます。水よりはお湯のほうが短時間で溶けやすくなる効果が望めます。

40～60℃くらいのぬるま湯を腰のあたりの高さから便器に注ぎ込みます。少し高い位置から注ぐことで、水圧で押し出す効果も期待できます。お湯を注ぐときの注意点は2つあります。

便器内の水位が高い場合は水を汲み出して、なるべく排水口にお湯が入るようにすること、もう一つはお湯の温度です。高い温度のほうが、効果があるように思いがちですが、熱すぎるお湯は便器の破損につながります。注意しましょう。

トイレが詰まったときに、お湯で流す方法を知りたい方は以下の記事をご覧ください。

トイレ詰まりはお湯で直せる？正しい対処法や注意点を解説

1. ラバーカップを使用する

お湯でも解消しなかった場合、軽微な詰まりであれば「ラバーカップ」を試してみましょう。

まずは、お使いのトイレに合ったラバーカップを用意します。排水口にきっちり密着させることが必要なので、形状が合わないラバーカップでは作業ができません。

次に、便器内の水位を調整します。ラバーカップの先端が水に浸かっていることが重要です。排水口にきっちりと密着させて、ゆっくり押して真空状態にしていきます。これ以上押せないというところに来たら、勢いを付けて一気に引き抜きます。この引く力で詰まっているティッシュペーパーを水ごと引き出す仕組みになっています。決して奥に押し込むのではないので注意しましょう。1回で引き出すことができなくても、数回繰り返しておこなってみましょう。

1. 真空式パイプクリーナーを使用する

真空式パイプクリーナーは、知らない方も多いと思いますがインターネットでも気軽に購入できる詰まり除去道具です。ラバーカップと同じ原理で真空状態から引き出す力を利用します。ラバーカップとの違いはパワーです。大きな注射器のような形状をしていてその先にカップが付いていて、レバーを押したり引いたりして異物を引き出す道具です。使用手順もラバーカップと似ているので、軽度の詰まり除去にはとても便利な道具です。

1. 家庭用ワイヤーブラシを使用する

家庭用ワイヤーブラシは、長い金属製のワイヤーの先端にブラシが付いている道具です。持ち手部分の柄をもってワイヤーを便器の排水口に差し込んでいき、異物に当たったらブラシを回転させて異物を削り取ります。ティッシュペーパーの場合は、ブラシを前後に小刻みに動かして、ティッシュペーパーがバラバラになるようにするのも効果的です。

しかし、異物を取ろうと必死になって強く動かしすぎると便器の表面や排水管を傷つける恐れがあります。ワイヤーブラシで取れる範囲も限界があるので無理矢理やってしまうのは厳禁です。

1. トイレ詰まりを放置すると起こりうるトラブル

トイレが詰まる原因は、ティッシュペーパーだけではなくさまざまです。トイレが詰まった状態のまま、放置するとどのようなことが起こるのでしょうか。

1. 異臭がする

トイレ詰まりを放置していると、異臭が溢れ出る恐れがあります。
便器の底に常時溜まっている水を封水と言います。文字通り、封をしている水です。何の封をしているかというと、排水管〜下水管です。これらから上がってくる悪臭と、害虫の侵入を封をして予防しています。トイレ詰まりが起こると封水の水位が低くなって封をすることができなくなり、排水口に隙間ができます。

その結果、悪臭が漏れだしてきます。臭いは空気に乗って広がっていくので、トイレだけではなく家全体が下水臭で充満する恐れもあります。

1. 階下へ水漏れが起こる

集合住宅の場合、トイレ詰まりを放置しておくと下水漏れが起こり、階下にも下水が漏れていく恐れがあります。階下漏水で重大なトラブルが起こり、漏水原因が「詰まりの放置」となった場合、損害賠償請求が発生することもあります。

1. 近隣へ被害が発生する

マンションなどの集合住宅は、各部屋のトイレからは1本の排水管で下水が流れてきますが、だんだんと太い管に統合されていき最終的には1本の排水管になって下水に流れていきます。

ティッシュペーパーなどの異物が統合された排水管の中で詰まってしまうと、その排水管にまとめられている各ご家庭のトイレにも詰まりが生じます。場合によっては、建物全体の排水が止まってしまう恐れもあります。

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ティッシュでトイレが詰まった際にやってはいけない対処法

ティッシュがトイレに詰まった際に、やってはいけないNG対処法があります。まずは、落ち着いて行動することが大切です。ここでは、具体的なNG行動を紹介します。

1. トイレの流す機能を何度も使用する

トイレを流しても流れない、詰まっているとき、もう一度流したら勢いで流れるかもと思うかもしれませんが、絶対やってはいけません。

詰まっているということは、水や排泄物が行き場を失って逆流してきている状態です。そのうえにさらに水を流すと、便器から水が溢れ出ることになります。

汚水で床や壁が二次被害を受ける恐れがあります。誤って洗浄レバーを捻っても、水が出ないように止水栓を閉めておくことも有効的です。トイレの水を流したいときは、バケツに水を汲んで流れ具合を見ながらゆっくり流すようにするとよいでしょう。

1. 熱湯を便器に流す

実際にティッシュペーパーが詰まってしまったら、より熱いお湯のほうが効果が高いのではないかと考えがちです。確かにティッシュペーパーの詰まりにはお湯が有効ですが、熱湯を流すのは厳禁です。

便器は陶器製のため、いきなり熱湯をかけるとヒビが入ったり、最悪の場合は割れてしまったりすることもあります。トイレの詰まり解消のつもりが、結果として便器交換につながる恐れもあるので、40～60℃程度のぬるま湯を使うようにしましょう。

1. ブラシなどを無理やり使用する

なんとか詰まりが取れないかと躍起になって、ワイヤーブラシを想定外の激しさで動かしたり、必要以上に奥まで差し込んだりするようなことはやめましょう。もし、排水管の奥でブラシの先端が取れて残ってしまったら、自力で取り出すことは非常に困難になります。

また、ワイヤーブラシは金属製のワイヤーなので、便器が傷付く恐れがあります。傷が付くと汚れが引っかかりやすくなり、新たな詰まりの原因を作ってしまいます。

また、トイレ掃除に使うトイレブラシを便器排水口に差し込んで、異物を取ろうとする方も少なくないですが、そもそもトイレブラシは便器表面の汚れをこすって落とすものです。回転する動きや前後に激しく動かすことは想定していないので、簡単に先端が取れることがあります。弊社にも、お掃除ブラシの先が外れて、取り出せないというご依頼をいただくことがあります。トイレ詰まりには、詰まり除去の道具を使うようにしましょう。

1. パイプクリーナーを使用する

パイプクリーナーは排水管のぬめりや悪臭の解消、除去効果があるものは髪の毛や油汚れで、ティッシュペーパーなどの紙類の分解にはまったく効果はありません。返って詰まりをひどくすることもありますので、使わないようにしましょう。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

1. 仕方なくトイレでティッシュを使う場合の注意点

トイレットペーパーのストックが切れていた、公衆トイレのトイレットペーパーがなくなっていたなど、やむを得ずティッシュペーパーを使わざるを得ない場合もあると思います。そのようなときに、ティッシュペーパーを詰まらせないように気を付ける点がいくつかあります。

1. 大量にティッシュを使用しない

ティッシュペーパーを使う際は、大量に流さないことが重要です。なるべく詰まりが起きないよう「排泄物とは別に流す」「細かくちぎる」など工夫をしてください。少量の場合もまとめて流さないようにすることが大切です。

最近は、公衆トイレでもウォシュレットが設置されていることが多くなりました。ウォシュレットを使うことによっても、ティッシュペーパーの使用量を減らすことができます。

1. 水に流せるタイプのティッシュを使用する

ティッシュペーパーのなかには、水に溶ける仕様の物が販売されています。普通のティッシュペーパーより繊維が短く作られており、ほぐれやすいのが特長です。トイレットペーパーとしても使うことができます。トイレットペーパーがないとき、可能であればこのようなティッシュペーパーを使うと詰まり防止になります。

しかし、いくら「水に流せる」と謳っていても、油断して大量に使うと詰まりの原因になりますので注意が必要です。

1. ティッシュをトイレに流さない

そもそも、ティッシュペーパーをトイレに流すから詰まります。流さなければ詰まりは起きません。可能であれば、使用後のティッシュペーパーをビニール袋などに入れて可燃ごみで廃棄しましょう。ただし、衛生面では懸念があるので、袋を二重にする、消臭ビニールを使うなど、ゴミ出しの日まで工夫しましょう。

1. ティッシュで起こったトイレ詰まりは水のトラブルサポートセンターまで

一見、同じ紙に見えるトイレットペーパーとティッシュペーパーですが、ティッシュペーパーは水に溶けないように設計されているので、トイレに流してしまうと詰まりの原因になります。軽度な詰まりの場合は、自分での除去作業も可能ですが再発などのリスクをともないますので、水のトラブルサポートセンターにご相談ください。水のトラブルサポートセンターはトイレ詰まりの実績も多数あります。ぜひ、ご安心してお問い合わせください。

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