オーバーフロー管とは?破損した際の対処方法や交換方法などを解説

トイレを流したあとも便器に水が流れ続ける、トイレタンクから水漏れしているといったトラブルが起こっている場合、タンク内のオーバーフロー管に問題があるのかもしれません。
この記事では、オーバーフロー管について役割、種類などとトラブルが発生している場合の対処法などを解説します。オーバーフロー管のトラブルでお困りの際は、参考にしてみてください。
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オーバーフロー管とは
トイレタンク内にあるオーバーフロー管は、普段見ることのない部品ですがとても大切な役割を担っています。
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オーバーフロー管の主な役割
トイレタンクのオーバーフロー管の役割は、給水が一定量を超えた際に水をうまく外に逃がし、タンクの水漏れを防ぐ役割を担っています。
ボールタップが破損し給水が止まらなくなると、たちまちタンクから水が溢れてトイレが水浸しになるため、オーバーフロー管が重要です。
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サイフォン管との違い
サイフォン管はオーバーフロー管の別名で、店舗やメーカーによって呼び方が異なる場合があります。
しかし、フロートバルブと一体になったものをサイフォン管と呼ぶこともあるため、購入時には注意が必要です。交換用のオーバーフロー管を購入する際は、取り外したものを持参すると安心です。
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オーバーフロー管がついている種類とサイズ
オーバーフロー管は型番で選ぶのではなく、トイレタンクのタイプとサイズで選びます。
トイレタンクのタイプは「隅付きタイプ」と「密結タイプ」の2種類があり、サイズは排水口の径(38mmまたは51mm)が一般的です。
それぞれの特徴は、以下のとおりです。
・隅付きタイプ:壁の隅に三角形のタンクがかかっていて、底の配管がトイレにつながっているタイプ
・密結タイプ:タンクが直接便器の上に乗っていて密着しているタイプ
海外製などでは異なるサイズもあるため、購入時にはサイズを間違えないように注意しましょう。
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オーバーフロー管が破損する原因
オーバーフロー管が壊れてしまう主な原因は、下記の4項目になります。
それぞれ説明していきます。
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経年劣化
経年劣化は、オーバーフロー管が破損する原因の一つです。オーバーフロー管は基本的にプラスチック製です。プラスチックなので錆びることはありませんが、ずっと水に浸かっているので劣化が進みやすい部品です。経年劣化でヒビが入ったり折れてしまうこともあります。
オーバーフロー管の寿命は15年程度といわれていますが、使用状況により異なります。掃除の際にはチェックするようにしておく、または破損などがなくても定期的に交換しておくと、急な水漏れで困ることがなくなり安心です。
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他の部品交換時の衝撃
オーバーフロー管は衝撃に弱く、簡単に折れてしまうため、他の部品交換時にはとくに注意が必要です。
トイレタンク内には複数の部品があり、なかには自分で交換可能な部品もありますが、交換作業中にオーバーフロー管に衝撃を与えないよう気を付けましょう。タンク内の隙間が狭いため作業が困難な場合は、無理に作業を行わず、業者に依頼することをおすすめします。
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掃除の際の衝撃
掃除の際、オーバーフロー管などの部品に衝撃を与えてしまうと破損につながります。
タンク内の部品は劣化して脆くなっている場合があり、少しの衝撃でも折れてしまうことがあります。タンク専用の洗浄液やクエン酸、重曹を使って直接触れずに掃除する方法がおすすめです。
もし中の汚れが気になる場合は、部品に触れないよう細心の注意を払いながら掃除しましょう。
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節水対策のペットボトル
節約、節水目的のペットボトルをの使用もオーバーフロー管が破損しかねません。
節約、節水の観点からはとても効果が高い方法だと思いますが、タンク内の部品破損の可能性も高くなるのです。トイレタンク内の水位は水を流したとき、給水されて水が溜まったときで常に変動しています。そのため、一見動かないように見えるペットボトルも動いてしまい、タンク内の部品に接触することも珍しくありません。
せっかく節約、節水のために入れたペットボトルが部品を壊してしまい、修理代がかかってしまったら本末転倒です。それでも、節約節水対策としてペットボトルを使いたい場合はタンクの中でペットボトルが動かないよう固定できるような工夫をしてみてください。
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オーバーフロー管が破損した際に起こるトラブル
オーバーフロー管が破損してしまった場合に起こる主なトラブルは、「レバーを回しても水が流れない」「便器に水が流れ続ける」ことです。
オーバーフロー管のどこに亀裂や破損があるかによって、水漏れの仕方も異なります。便器内にチョロチョロと水が流れ続けている場合、ボールタップやフロートバルブを疑います。
しかし、どちらにも異常がなければ、オーバーフロー管の根元にヒビが入っているかもしれません。タンク内を上から見ただけでは判断できないので、根元まで手を入れて軽く触ってみてグラグラするようなら、オーバーフロー管の根元の破損の可能性が高いです。
便器内に結構な量の水が流れている場合は、オーバーフロー管のヒビではなく完全に折れていることが多いです。タンク内には多数の部品があるので、起こっているトラブルの原因がどの部品なのかはしっかり確認しましょう。
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オーバーフロー管が破損した際の応急処置
オーバーフロー管が破損、折れてしまったら場合によっては便器に大量の水が一気に流れ出ます。排水管が詰まっていない限り、便器から溢れ出すことはないので落ち着いて応急処置をしてください。
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止水栓を止める
まずは、トイレへの給水を止めるため、止水栓を閉めましょう。タンクにつながっている給水管をたどっていくと止水栓が見つかります。止水栓のタイプによってはマイナスドライバーが必要になります。ご自宅のトイレの止水栓の場所とタイプをあらかじめ把握しておくと安心です。
止水栓の場所がわからない、場所はわかったけど閉めることができない場合はいったん元栓を閉めてください。元栓は戸建て住宅なら水道メーターのあたりに、集合住宅ならメーターボックスのあたりにあります。
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バケツで水を流す
トイレを使う場合はバケツで水を流す必要があります。
オーバーフロー管の修理が終わるまで、止水栓を開いても便器に流れ出てタンク内に水を溜めることができないからです。
お風呂や洗面からバケツに水を汲んで、便器内に一気に流し込みます。少なすぎる水量だと詰まってしまいますが、あまりに大きなバケツは重くて持てません。適量は7リットル前後になります。最近は使わないときは折りたたんでおけるバケツもありますので、準備しておくと安心ですね。
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破損したオーバーフロー管は自分で交換可能?メリットとデメリットは?
オーバーフロー管の交換を自分でする場合、デメリットとしては作業難度が少々高いことです。
しかし、有資格者しかできない作業ではありません。工具類をお持ちならご自分の都合で作業できるメリットもあります。自分でされるか、業者に依頼するかの判断の参考にしてみてください。
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オーバーフロー管の交換方法
作業前に準備するもの
・交換する新しいオーバーフロー管
・ウォーターポンププライヤー
・モンキーレンチ
・古布、古タオル、雑巾など
※新しいオーバーフロー管は、元々付いていたものと同じタイプの物を購入してください。
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止水栓を止める
止水栓を閉めてタンクのフタを外し、作業に支障が出ないようにレバーを回してタンク内も水を流しておきましょう。
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モンキーレンチで排水管とナットを外す
モンキーレンチを使ってタンク内の給水管を外し、タンク裏のナットも外します。その際、タンクの中に水が残っていたら雑巾などでしっかり拭き取っておきましょう。
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トイレタンクを外しオーバーフロー管を取り換える
トイレタンクを取り外します。タンクは重量があるので、慎重に落ち着いて扱いましょう。
タンクの底にオーバーフロー管が付いているので、ウォーターポンププライヤーを使ってオーバーフロー管の根元を挟んでゆっくり回しながら取り外します。交換用の新しいオーバーフロー管を差し込んでウォーターポンププライヤーを使って、ゆっくり回しながら取り付けていきます。
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トイレタンクを戻しチェーンを調整する
オーバーフロー管がしっかり付いたことが確認できたら、タンクと給水管をもとに戻してナットを締めます。この際、フロートバルブをつなぐチェーンをレバーを回しながら調整します。
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止水栓を開け動作確認をおこなう
すべての調整が完了したら止水栓を開けて給水し、トイレを何回か流してみて正常に動作していれば作業完了です。
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自分で交換した場合のメリット
交換した場合のメリットは、以下のとおりです。
・業者に依頼するよりコストを抑えられる
業者に依頼する場合の作業料金がかからないため、費用を抑えられます。
・自分の都合で作業できる
業者に依頼すると、予約の関係で待つ必要があったり、在宅の必要があったりしますが、工具が揃っていれば自分の好きなタイミングで作業が可能です。
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自分で交換した場合のデメリット
自分でオーバーフロー管を交換するデメリットは、以下のとおりです。
・作業の難易度が高い
オーバーフロー管の交換は、他の部品とは異なりタンクの取り外しが必要です。狭いトイレ空間で重いタンクを扱うのは非常に難しく、万が一タンクを落として割れてしまうと、タンクの交換も必要になり、余計な修理費用が発生する可能性があります。
・専用の工具が必要
オーバーフロー管の交換には専用の工具が必要で、もしお持ちでない場合は購入する必要があります。しかし、こうしたトラブルは頻繁には起こらないため、購入した工具を使う機会は少ないかもしれません。購入の時間と費用を考慮すると、工具を持っていない場合は業者に依頼するほうが賢明かもしれません。
・適合するオーバーフロー管の選定
交換する新しいオーバーフロー管は、付いている物と同じタイプにしないと交換ができません。しかし、オーバーフロー管はトイレのタイプと排水口のサイズで選ばないといけないので、よく理解していないと付けることができないというトラブルが起こります。
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賃貸でオーバーフロー管が故障した場合の対処方法
賃貸住宅にお住まいの場合、トイレを含む住宅設備のほとんどは大家さん、オーナーの所有物になるため、入居者が勝手に修理作業をすることはできません。
ここでは、賃貸オーバーフロー管が故障した場合の対処法を解説します。
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応急処置をおこなう
オーバーフロー管の破損が起こったら、まずは応急処置として、止水栓を閉めて水漏れを止めましょう。場合によっては大量の水が便器に流れ込んでいる状態になり、放置しておくと水道料金が跳ね上がるため、水の供給を止めることが肝心です。
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管理会社やオーナーへ連絡をする
水が止まったら、まず管理会社やオーナー(大家さん)に連絡しましょう。基本的に、管理会社やオーナーが提携業者を手配してくれ、修理費用も入居者に責任がなければ負担してくれます。
ただし、入居者が独自に業者を呼んで修理を行った場合、修理費用が入居者負担になることがあるため注意が必要です。
また、祝日や年末年始など、管理会社やオーナーが休業中の場合、連絡が取れないことがあります。こうした際の対応方法について、事前に確認しておくことをおすすめします。
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オーバーフロー管の交換を業者に頼む費用相場
オーバーフロー管の交換作業はタンクの脱着を伴うため、難易度が高く、費用相場は一般的に20,000~25,000円程度です。タンクの脱着作業には8,000~12,000円がかかり、さらにオーバーフロー管自体の費用も必要です。
業者によっては、出張費や深夜割増料金が加算されることもあります。依頼前にホームページで詳細を確認するか、見積もりを依頼して料金について詳しく聞いておくことをおすすめします。
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オーバーフロー管のトラブルなら水のトラブルサポートセンターまで
オーバーフロー管のトラブルでお困りの際は、水のトラブルサポートセンターにご相談ください。
場合によっては大量の水漏れを起こすオーバーフロー管のトラブル。放置しておくと水道料金が高くなり、水漏れがひどくなったら近隣の方にご迷惑がかかることもあります。
水のトラブルサポートセンターは24時間365日受付しております。また、出張料無料、深夜割増もありません。見積もり段階でお断りいただいても費用はかかりませんので、安心してご依頼ください。
【水トラブルのことなら】どんな小さなことでもお気軽にご相談ください!
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水トラブログ編集部
最終記事更新日:2019.07.25

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