最終更新日:2025.07.08 水トラブログ水道管

水道の元栓とは?場所・閉め方・トラブル時の対処方法まで解説

水道の元栓とは?場所・閉め方・トラブル時の対処方法まで解説

「急に風呂場の水が止まらなくなった」「トイレタンクの水漏れで床がびしょびしょ」そんなときに、まず確認してほしいのが“水道の元栓”です。元栓を閉めることで、家全体の水の流れを一時的に止められるため、被害の拡大を防げます。

この記事では、水道の元栓の場所や閉め方、いざというときの対処法まで、わかりやすく解説します。

  1. そもそも水道の元栓とは?

水道の元栓

元栓のトラブルを紹介する前に、元栓とは具体的にどのような役割があるのかを知っておきましょう。

  1. 元栓の役割

水道の元栓は、家全体への水の供給をコントロールするバルブです。水漏れのようなトラブルが発生したときに元栓を閉めれば、自宅の水を止められます。

元栓を閉めることで水があふれ続けるのを防げますが、同時にトイレや給湯器、洗濯機なども使えない状態になるので注意が必要です。元栓を閉める前には、家族に一言声をかけたり、必要な水を確保したりするなど、準備をしてからおこなうようにしましょう。

  1. 元栓と止水栓の違い

元栓と止水栓の違い

水道の元栓と止水栓は、どちらも水を止めるための装置ですが、働く場所に違いがあります。水道の元栓は、家全体に水を送る大もとの部分で、閉めるとすべての蛇口やトイレ、洗濯機など、家じゅうの水の流れが止まります。

<止水栓>
一方で止水栓は、キッチンのシンク下や洗面所、トイレなど、それぞれの設備ごとに取り付けられており、特定の場所だけ水を止めたいときに使います。

たとえば、トイレから水が漏れている場合、止水栓を閉めればトイレだけの水を止められるため、他の水まわりには影響がありません。止水栓を閉める際はマイナスドライバーを使うことがあります。

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  1. 【建物別】水道の元栓の場所はどこ?

【建物別】水道の元栓の場所はどこ?

元栓は建物によって設置されている場所が異なるため、前もって把握しておくと安心です。ここでは、戸建てやマンション・集合住宅、アパートのカテゴリに分けて紹介します。

  1. 戸建ての場合

戸建て住宅の場合、水道の元栓は家のすぐそばにある屋外のメーターボックス内に設置されていることが一般的です。これは、水道局がメーターの確認や点検をおこなう際に、わざわざ敷地の中まで入らなくても済むようにするための配慮です。

道路沿いや玄関付近の地面にある四角いフタが目印で、そのなかに水道メーターと一緒に元栓が設置されています。万が一のトラブルに備えて、日頃から元栓の場所を確認しておくと安心です。

  1. マンション・集合住宅の場合

マンションやアパートなどの住宅では、水道の元栓は各戸の玄関脇にある収納スペース(パイプスペースやメーターボックス)内に設置されていることが多いです。

この収納部分には、水道メーターやガスの設備などもまとめて管理されており、点検や緊急時の対応がしやすいようになっています。

場所は建物によって異なりますが、多くは玄関の扉横か、共用廊下に面したボックス内にあります。トラブルに備えて、あらかじめ位置を確認しておくとよいでしょう。

  1. アパートの場合

アパートの場合、水道の元栓は個別ではなく、複数の部屋分が一つの場所に集められていることが多く、共有スペース内に設置されています。とくに多いのが、駐車場の脇やアパートの外壁沿いにある水道メーターボックスで、全戸分のメーターと元栓が並んでいます。

もしものときのために、どこに自分の部屋の元栓があるのかを事前に確認しておくことが大切です。元栓の場所がわからない場合は、管理会社に相談すると確実です。

  1. 水道メーター付近に部屋番号が書かれてないか確認する

自分の部屋の水道元栓を確認するには、水道メーター付近に部屋番号が書かれていないかをチェックしてみましょう。

水道の検針作業のために、メーターの近くにタグが付けられていたり、フタの裏に部屋番号が記されていたりすることがあります。どれが自分の元栓か迷ったときは、表示されている番号が手がかりになります。

  1. 水道メーターの文字盤下のパイロットを確認する

水道メーターの文字盤下には、パイロットと呼ばれる小さな回転部品があるので確認しましょう。パイロットは、水を使うとパイロットが回る仕組みになっています。自宅の蛇口を開閉したときにパイロットが動くかを確認することで、自分の家のメーターかどうかを判断できます。

  1. ビルの場合

ビルの場合、安全性と管理の観点から鍵付きの管理室や機械室、専用の配管スペースなど、一般の利用者が立ち入れない場所に設置されていることがほとんどです。
万が一元栓を誤って閉めてしまうと、ビル全体に水が供給されなくなる恐れがあります。
ビルにある水道の元栓は、関係者以外には触れられないようになっているため、何かトラブルがあった場合は、必ずビルの管理会社や設備担当者に連絡して対応を依頼しましょう。

  1. 水道の元栓の閉め方・開け方

水道の元栓の閉め方・開け方

元栓を初めて見る方にとっては、どのように開け閉めすればよいのかわからないことも多いでしょう。ここでは、元栓の開閉方法と注意点を解説します。

  1. 閉め方と注意点

水道の元栓を閉めるときは、メーターボックス内のレバーやハンドルを時計回りにゆっくり回します。メーターボックスは屋外にあることが多く、泥やホコリがたまっている場合もあるため、ゴム手袋を着用して作業するのがおすすめです。

元栓を閉めたあとは、家の蛇口をひねって本当に水が止まっているかを確認し、しっかり閉まっているかをチェックしましょう。

ただし、元栓を閉める際に力を強く入れすぎて必要以上に固く閉めてしまうと、次に開けるときにレバーが動かなくなることがあります。適度な力で止まる位置まで閉めるようにしてください。

  1. 開け方と注意点

水道の元栓を開けるときは、レバーやハンドルを反時計回りにゆっくり回します。勢いよく開けると水圧が急にかかり、配管に負担がかかることがあるため、最初は少しずつ開けて水の流れを確認しながら作業しましょう。全開にするときも、止まる位置までゆっくりと左方向へ回すのがポイントです。

また、元栓は必ず最後まで全開にして使うのが基本です。中途半端に開けておくと、水の勢いが不安定になり音が出ることがあります。

なお、水道の元栓は電気やガスの元栓と見た目が似ているケースもあるため、よく確認してから操作するようにしましょう。

  1. 水道の元栓が動かないときの正しい対処法

水道の元栓が動かないときの正しい対処法

元栓が固くて回らないときは、内部がサビついている可能性があります。その場合は、サビ落としや潤滑剤を使ってから、工具を使って慎重に動かすとスムーズです。サビ落としや潤滑剤は、ホームセンターやドラッグストア、ネット通販サイトなどで300円から2,000円ほどで購入できます。

また、作業時に用意しておくと便利なのが、軍手やゴム手袋(滑り防止)、モンキーレンチ、ペンチなどのアイテムです。力に自信がない方でも、これらを使用すれば安全に作業がしやすくなります。

  1. 水道の元栓を自分で操作してよい?

水道の元栓を自分で操作してよい?

水道の元栓は水道局が管理しているため、水道の契約をする前に勝手に開けることは法律で禁止されています。しかし、契約後であれば、トラブル対応などで元栓を開閉すること自体は問題ありません。

ただし、元栓はあくまで公共の設備であるため、修理や掃除のために分解したり、内部をいじったりすることはできません。無理に扱うと破損の原因になることもあるため、もし元栓まわりに不具合がある場合は、自分で直そうとせず、水道局や専門の水道業者に相談するようにしましょう。

参照:e-Gov法令検索|水道法第14条

  1. 水道の元栓が必要になるケース

水道の元栓が必要になるケース

水道の元栓を利用する場面を紹介しますので、参考にしてください。

  1. 水漏れの場合

蛇口から水が噴き出すような深刻な水漏れが起きたときは、まず水道の元栓を閉めることが応急処置としておすすめの対処法です。元栓を閉めれば、家全体の水の流れが止まり、被害の拡大を防げます。

ただし、元栓を閉めるとすべての水まわり設備が使えなくなるため、生活に支障が出る恐れがあります。応急処置はあくまで一時的な対応で、根本的な解決にはつながりません。

そのため、元栓を閉めたらできるだけ早く水道業者に連絡し、専門的な修理を依頼することが大切です。放置すると水道設備がさらに傷んだり、水道料金が高額になったりする恐れもあります。

  1. 工事の場合

水道の蛇口は毎日使うものだからこそ、少しずつ劣化していく消耗品です。パッキンの劣化や内部部品の摩耗によって水漏れが起こることもあり、一般的な耐久年数は10年程度とされています。そのため、定期的な修理や交換が必要になります。

工事をおこなう際には、安全に作業を進めるために一時的に水道の元栓を閉めましょう。元栓を閉めることで水の流れを止め、作業中に水が噴き出すのを防げるため、蛇口の交換時には欠かせない対応です。

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水道の蛇口の水漏れを自分で修理する!ポタポタの直し方や水道代・パッキン交換について解説

  1. 長期間家を空ける場合

長期間家を空ける際、元栓を開けたままにしておくと、水漏れや配管の劣化による破損が起きても、誰にも気付かず被害が広がってしまう恐れがあります。

とくに寒冷地では、冬の間に水道管の中の水が凍って膨張し、破裂するトラブルが起こりやすいため注意が必要です。こうしたトラブルを未然に防ぐためにも、旅行や出張などで家を数日以上空ける場合は、水道の元栓を閉めておくのがおすすめです。

帰宅したあとは元栓をゆっくり開け、水漏れがないか確認してから通常通り使用することを忘れないでください。

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  1. 水道の元栓のトラブル時にとるべき対処方法

水道の元栓のトラブル時にとるべき対処方法

万が一、水漏れが発生した場合、被害を拡大しないためにも対処法を知っておくことが大切です。ここでは4つのポイントを紹介します。

  1. 元栓を閉める

水漏れや水が止まらないなどのトラブルが起きた場合は、まず慌てずに水道の元栓を閉めることが大切です。メーターボックスのなかにあるレバーを時計回りにゆっくり回すことで、水の供給を一時的に止められます。

元栓を閉めれば被害の拡大を防ぎ、落ち着いて修理の手配をする時間を確保できます。

  1. 水道局に連絡する

水道の元栓は水道局が管理しているため、修理や不具合があるときは居住している地域の水道局へ連絡する必要があります。連絡先や対応方法は、各自治体のホームページに掲載されているため、まずはインターネットで確認してみましょう。

水道局は市や町などの自治体の管理下にあるため、もし「どこが担当の水道局かわからない」「連絡先が見つからない」というときは、お住まいの市役所や役場に問い合わせれば、連絡先を教えてもらえます。

  1. 管理会社や大家に連絡する

賃貸物件で水漏れや水が止まらないなどのトラブルが発生したときは、水道局ではなく、まず管理会社や大家さんに連絡することが基本です。原因によっては自分の部屋だけでなく、建物全体に影響が及んだり、下の階に水が漏れて二次被害を引き起こしたりする恐れもあります。

とくに給水管や排水管が関係するトラブルでは、専門的な対応が必要となるため、勝手に修理業者を呼ばず、まずは電話で管理会社か大家さんに相談しましょう。

メーターボックスの場所や元栓の位置がわからない場合でも、建物を管理している側なら適切な案内をしてくれます。被害を広げないためにも、早めの連絡と正しい手順が大切です。

  1. 修理業者に依頼する

水漏れなどのトラブルが発生し、水道局ではすぐに対応できない場合や、応急処置が必要なときは、修理業者への依頼も検討しましょう。とくに深夜や早朝などの緊急時には、24時間対応の業者を探しておくと安心です。

インターネットで「水道修理+地域名」で検索すると、対応エリアごとの業者が見つかります。なかには即日対応や、出張費無料のサービスをおこなっているところもあります。事前に信頼できる業者を把握しておきましょう。

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  1. 水道の元栓のトラブルを防ぐためにできること

水道の元栓のトラブルを防ぐためにできること

元栓のトラブルを未然に防ぐためのポイントをまとめましたので、役立ててみてください。

  1. 異常がないか目で確認する

水道の元栓のトラブルを防ぐためには、普段から異常がないかを目で確認することが大切です。たとえば、元栓まわりに泥やゴミがたまっていないか、水漏れや湿った跡がないかを掃除のついでにチェックしておくと、早めの対応につながります。外から見える範囲での点検だけでも、予防することが可能です。

ただし、元栓の内部汚れやつまりに関しては、水道局が管理しているため、自分で解体して掃除することはできません。内部の清掃や修理が必要な場合は、水道局に連絡して対応してもらうようにしましょう。

  1. プロの定期点検を利用する

水道の元栓は家全体の水の流れを調整しているため、トラブルが起きると生活に大きな支障をきたします。突然の水漏れや元栓の固着を防ぐためにも、年に1回程度はプロによる点検を受けるのがおすすめです。

同様に、洗面台や排水口、洗濯機のホース、浴室なども、水まわりの設備として定期的なチェックが必要です。目に見えない部分の異常は普段生活していても気付きにくいため、専門業者によるメンテナンスを受けておくことで、急なトラブルを未然に防げます。

  1. 水のトラブルサポートセンターの元栓の修理事例

ここからは、水のトラブルサポートセンターで実際にあった事例を紹介します。

  1. 事例1

ご相談は、屋外に設置された立水栓が使えなくなったという内容でした。調査の結果、蛇口部分の経年劣化が原因と判明し、立水栓の蛇口交換をおこないました。作業は約2時間で完了し、水の流れもスムーズに戻りました。

>>香川県木田郡三木町:立水栓蛇口交換

  1. 事例2

次に紹介するのは、散水栓で発生したトラブルの事例です。お客様から「水漏れしていて、部品も壊れているようだ」とのご連絡があり、現地調査を実施したところ、経年劣化によって給水管と蛇口が傷んでいることが判明しました。

対応としては、給水管の補修と散水栓の蛇口交換をおこない、作業は約2時間で完了しています。修理後は問題なく使用できるようになり、お客様にも安心いただけました。

>>徳島市沖浜町東畑:給水管補修、散水栓蛇口交換

  1. 水道の元栓トラブルで困ったら水のトラブルサポートセンターへ

トラブル時に水道の元栓を閉めることで被害を最小限に抑えられますが、生活用水が一時的に使えなくなるため、慎重な対応が必要です。

元栓の場所や操作方法を日頃から確認しておくことで、いざというときにも慌てずに対応できます。水漏れや元栓の不具合が起きたときは、自分で無理をせず、専門業者に相談するのが安心です。

水のトラブルサポートセンターは、累計対応件数100万件を超える実績がある、水まわりの専門サービスです。24時間365日いつでもフリーダイヤルでご相談いただけます。さらに、インターネットからのご依頼で最大3,000円の割引が受けられるお得なサービスもご用意しています。水道の元栓に関するトラブルでお困りの際は、下記のページからご相談ください。

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水トラブログ編集部

最終記事更新日:2025.06.12