最終更新日:2025.07.08 水トラブログ
止水栓が回らないときはどうしたらよい?原因や対処方法を種類ごとに解説
「水漏れが起こり、水を止めたいが止水栓が回らない」
「止水栓が回らない原因と対処方法を知りたい」
給水設備の一部である止水栓が回らずに、お困りの方もいるでしょう。
水回りに欠かせない止水栓ですが、回す方向を誤っていたり、部品が劣化していたりすると、うまく回りません。
止水栓が回らないときの作業は自分でおこなえる場合もありますが、無理に扱うと破損の原因になるため注意が必要です。
この記事では、止水栓が回らない原因と対処方法を解説します。種類ごとの正しい回し方や回す際の注意点も紹介するので、参考にしてみてください。
-
止水栓の役割
止水栓は、各水回りに給水をおこなう役割を担っています。水回りの故障や水漏れなどが発生した場合は、止水栓を閉めることで配給を停止でき、トラブルを最小限に抑えられます。
止水栓は一つで1箇所の給水を管理しているため、特定のものを回さなければ、給水を止められません。たとえば、トイレで水漏れが発生した場合、洗面台の止水栓を回してもトラブルを解決できないため注意が必要です。
止水栓の役割を正しく理解することで、トラブル時でも冷静に対処できるでしょう。
-
止水栓が回らない原因
水回りのトラブルが発生した場合、まずは給水を停止して被害を最小限に抑えることが大切です。しかし、サビや凍結などが原因で止水栓が回らない場合があります。
ここでは、止水栓が回らない原因を4つ紹介します。
-
止水栓が固まっている
設備の内部が固まっていると、止水栓は回りません。止水栓は使用する機会が少なく放置しがちですが、長期間放置していたり手入れをしていなかったりすると、汚れやサビが溜まって固着を起こし、回りにくくなってしまいます。
とくに、水漏れ防止のためのゴムパッキンは経年劣化しやすく、癒着・固着の原因になります。止水栓が固まっている場合、無理に回そうとすると破損する恐れがあるため注意が必要です。
-
回し方や回す方向に誤りがある
止水栓は開く方向に回し続けても動かないため、回らないと勘違いしてしまう場合があります。通常、止水栓は全開の状態になっているため、閉める方向に回すことで正常に動く可能性があります。
勘違いしたまま強く回し過ぎると、止水栓や周辺の部品を破損させる恐れがあるため注意が必要です。焦ったときこそ、落ち着いて対処することが大切です。
-
止水栓の水圧が高まっている
止水栓が回らない原因として、内部の水圧が高まっていることも挙げられます。止水栓を全開にしている状態が続くと高水圧環境となり、無理に回すと破損の恐れがあるため注意が必要です。
水圧が高まっていて止水栓が回りにくい場合、まずは給水管の水圧を調整しなければいけません。水圧を調整するためには、給水管の圧力調整弁や圧力開放弁を確認したうえで、適切な作業をおこなう必要があります。
専門的な知識や工具を必要とするため、業者に依頼するのがおすすめです。
-
止水栓が凍結している
気温の低下によって止水栓が凍結してしまい、回らない場合もあります。内部が凍結してしまうと、人力で回すのは困難です。
凍結による問題を解消するためには温める必要がありますが、熱湯や火の使用は止水栓の破損につながります。そのため、自己判断で対処せず、止水栓が凍結している場合は専門業者に相談することをおすすめします。
とくに寒冷地では、適切な保温対策によって凍結を防ぐことが大切です。
-
止水栓の種類と種類ごとの回し方
止水栓には主に3つの種類があり、それぞれ回し方が異なります。ここでは、止水栓の種類ごとの回し方を解説します。
-
ハンドルタイプの場合
ハンドルタイプの止水栓は蛇口のような見た目をしており、右回りで閉まり、左回りで開けられます。簡単に手で回せるため、通常は特別な工具が必要ありません。
万が一、回らない場合はハンドルが緩んでいないか確認してみてください。緩んでいる場合は、適切な工具を使用して締め直す必要があります。
また、ハンドルタイプはぶつかったり小さな衝撃が加わったりすると緩んでしまうことがあるため、定期的に締め直しておくのがおすすめです。
-
ドライバータイプの場合
ドライバータイプは、トイレの床や壁に設置されていることが多い種類です。排水管にマイナス状の溝や突起があるのが特徴で、マイナスドライバーや硬貨を使用して回します。
回し方はハンドルタイプと同様、右回りで閉まり、左回りで開きます。うまく回らない場合は、止水栓用ドライバーを使用しましょう。
なお、無理に回して溝に傷をつけたり、破損させたりしないよう注意が必要です。
-
ネジタイプの場合
ネジタイプには外ネジタイプと内ネジタイプの2つの種類があります。外ネジタイプは先述したドライバータイプと同じ仕様で、ドライバーなどを使って開閉します。
一般的には、右回りで閉まり、左回りで開けられますが、止水栓によっては逆方向の場合があるため注意が必要です。無理に力を加えず、慎重に回しましょう。
一方、内ネジタイプは開閉するための溝が給水管の内部にあるものです。回し方は外ネジタイプと同じですが、溝が内部にあるため開閉しづらく、うまく回せないことがあります。
回しにくい場合は、止水栓用ドライバーを使用するのがおすすめです。溝の幅を測り、適したサイズのものを用意しましょう。
-
止水栓が設置されている場所
止水栓は各水回りに一つずつ設置されています。ここでは、止水栓が設置されている場所を紹介します。
-
トイレ
トイレの止水栓は、トイレタンクと壁をつなぐ給水ホースの付近に設置されていることが多いです。トイレの水漏れが発生したら、まずはタンクの後ろや床を確認しましょう。
タンクレスタイプの場合は、便器側面のパネル内部に収納されています。ウォシュレット付トイレは、ウォシュレット用と給水用の止水栓があるため、間違えないよう注意してください。
-
洗面台
洗面台の止水栓は、蛇口下の空間に設置されているのが一般的です。収納棚になっている場合は、スペースの奥に設置されていることが多いです。
水だけが出る洗面所であれば、止水栓は一つしかありません。ただし、水とお湯の両方が出る洗面台の場合は、それぞれに給水管と止水栓が設置されています。
-
お風呂
お風呂は給水管から蛇口がつながっているのが一般的です。止水栓は蛇口の根元付近に設置されていることが多く、洗面台と同様に水用・お湯用がそれぞれ独立しています。
ただし、止水栓の設置場所はお風呂の構造や設計によって異なり、蛇口付近で見つからない場合もあります。
たとえば、浴槽自体に蛇口が取り付けられている場合、浴室壁面やパネルの中に止水栓が隠されていることがあります。浴室外の廊下に設置されていることもあるため、見つからない場合は浴室周辺を確認してみてください。
-
洗濯機置き場
洗濯機置き場には、洗濯機の背面に給水するための水栓蛇口がついています。厳密に述べると、水栓蛇口は止水栓ではありませんが、両者は同じ役割を担っています。
洗濯機置き場の水栓は、主に万能ホース水栓・ワンタッチ水栓に分けられます。万能ホース水栓は蛇口の形をしており、ハンドルを回すことで給水の開始や停止が可能です。
一方、ワンタッチ水栓には止水栓が付いていません。給水を止める場合は、水道の元栓を閉めるか、ストッパー付きの水栓に取り替えることで対応しましょう。
-
キッチン
一般的に、キッチンの止水栓はシンク下に設置されています。シンク下の収納スペースを確保するため、空間の奥に設置されていることが多いです。
洗面台やお風呂と同様に、水用とお湯用の止水栓が設置されています。ハンドルタイプが多く、簡単に開閉できますが、内ネジタイプの場合もあります。
なお、カバーで給水管が見えないようになっているタイプもあるため、事前に確認しておくと安心です。
-
止水栓が回らない際の対処方法
ここでは、止水栓が回らない際の対処方法を紹介します。作業自体は難しくないため、トラブルの際は試してみてください。
-
ウォーターポンププライヤーを使用して回す
外ネジタイプの止水栓が回らないときは、ウォーターポンププライヤーを使うのがおすすめです。
ウォーターポンププライヤーは、ネジをつかんだり回したりする際に使用する工具です。配管工事でよく使われるものですが、一般の方でも手軽に利用できます。
止水栓が固い場合は、ウォーターポンププライヤーで突起部分を挟んで回してみてください。その際、ナットを取り外して挟む面積を増やして回すと、滑りにくくなり安全です。
また、止水栓の変形防止のために、ウォーターポンププライヤーとの間に布やタオルを挟むことをおすすめします。
-
ゴムハンマーで止水栓を軽くたたく
ネジタイプの止水栓は、ゴムハンマーで軽くたたくことで回せる可能性があります。ゴム製の面を止水栓のハンドルやグリップ部分に当ててたたくと、固着が緩みやすくなります。
ただし、たたく際に力を加えすぎると、止水栓だけでなく内部の配管も破損させる恐れがあるため注意が必要です。力加減に注意して、優しく、力を入れすぎずにたたきましょう。
-
止水栓にシリコングリスを塗る
サビや汚れが原因で止水栓が回らない場合は、シリコングリスを塗ることで解決できる可能性があります。
シリコングリスとは、金属部品の潤滑性を高めるための液剤です。止水栓のハンドルやネジ部分に塗りこむことで回りやすくなります。
汚れがついたままだと、シリコングリスがネジ回りに浸透しづらく効果を発揮しません。事前にサビや汚れをふき取り、馴染ませてから止水栓を回してみてください。
-
ドライヤーで温める
ドライヤーの温風を止水栓の付け根やグリップ部分に当てて加熱すると、熱によって金属が膨張し、固着が解け、回しやすくなります。
止水栓が温まったら、ドライバーやウォーターポンププライヤーなどを使用して、少しずつ回しましょう。熱による変形や破損を防ぐためにも、慎重に扱うよう注意してください。
ドライヤーで温める方法は、冬の凍結によるトラブルに有効です。とくに、寒冷地の場合は、凍結対策として覚えておきましょう。
-
緊急時は元栓を閉める
「水漏れが止まらないにも関わらず止水栓が回らない」「水が止まらず浸水や漏電の危険性がある」など緊急を要する場合には、元栓を閉めましょう。元栓を閉めれば、給水が停止されます。
水道の元栓は、一戸建ては屋外の水道メーターボックス、マンションは玄関のすぐ横にあるパイプシャフトの中に設置されています。ただし、元栓を閉めると家中すべての給水が止まるため、一時的な対処にとどめ、早急に専門業者へ相談しましょう。
-
止水栓を回す際の注意点
止水栓が回りづらいからといって、力任せや自己判断で作業をすると、設備を破損させる恐れがあるため注意が必要です。
ここでは、止水栓を回す際の注意点を紹介します。
-
無理に力を加えて回さない
止水栓を無理やり回すと、ネジの溝をつぶしてしまい、回すこと自体が困難になります。固くなった止水栓を回す際は、滑り止め液を使用するなどして、溝を破損させないよう注意して作業をおこないましょう。
溝を潰してしまうと、その場の作業が困難になるだけでなく、止水栓自体の交換が必要になり、修理費がかさんでしまいます。止水栓を回すときは細心の注意を払い、作業が難しい場合は無理をせず、専門業者に依頼するのがおすすめです。
-
水を止めてよいタイミングで作業する
止水栓を回して給水を停止すると、その場所の水が止まってしまいます。また、元栓を閉めると家中の給水が止まってしまうため、家族や同居人がいる場合は、事前に伝えておく必要があります。
家族や同居人と共有していないと、給水停止によってトラブルを招く恐れがあるため注意が必要です。事前に共有しておくか、もしくは家族が不在の時間帯に作業をおこなうのがおすすめです。
-
止水栓が回らなくなる前におこないたい予防方法
止水栓が回らなくなると、水漏れなどのトラブルが発生したとき、早期の対処が難しくなります。
ここでは、回らなくなる前におこないたい予防方法について紹介します。
-
定期的に止水栓を回す
長期間使用していない止水栓は、サビや部品の劣化で固着しやすくなります。また、季節の変わり目は温度や湿度の変化などが原因で腐食しやすく、止水栓の固着が進みます。
そのため、定期的に止水栓を回し、固着を防ぐことが重要です。止水栓はシンプルな構造のため、少し回すだけでも高い予防効果が期待できます。
また、定期的に回すことで「回りにくい」「部品が劣化している」などの早期発見にもつながります。
-
サビ取り剤を使用して掃除をする
止水栓を長期間放置すると、サビが付いて回らなくなることが多いため、定期的にサビ取り剤を使用して掃除をすることが大切です。定期的な掃除・メンテナンスは、サビ予防にもなります。
止水栓周辺を水で湿らせてからサビ取り剤を塗り込み、放置したあとにブラシやスポンジでこすります。サビが取れたら、水で洗い流して完了です。
サビ取り剤はホームセンターや通販などで購入できるので、一つ用意しておくと安心です。
-
劣化がみられたら早めに交換をする
栓の動きが鈍い、異音がする、水漏れがみられるなどの場合は、止水栓が劣化している恐れがあります。止水栓が古くなると、劣化だけでなく機能低下もみられるため、早急な交換が必要です。
止水栓の交換には費用がかかりますが、劣化を放置して水漏れなどのトラブルが発生すると、高額な修理・修繕費用が生じてしまいます。トラブルを防ぐためにも、早めに対策しておくのがおすすめです。
-
止水栓を業者に修理・交換を依頼した際の費用相場
修理業者によって異なるものの、止水栓の修理や交換を依頼する場合の費用相場は8,000円〜25,000円です。
ただし、止水栓を回すだけ、パーツの交換、止水栓自体の交換など、作業内容や部品ごとで料金に大きな差があります。具体的な金額を知りたい場合は、無料の事前見積もりをとり、比較することが大切です。
止水栓の修理・交換を業者に依頼すると、部品代のほか、工賃や出張費などが発生します。業者によっては、作業開始後に追加費用が加算され、結果的に高額な費用を請求される場合もあるため注意が必要です。
事前見積もりをとる際は、総額だけでなく内訳も確認しておきましょう。
-
止水栓トラブルなら水のトラブルサポートセンターまで
止水栓が回らない原因には、サビや劣化による固着、凍結などさまざまなものがあります。水漏れトラブルの際に止水栓が回らない場合は、工具や潤滑剤を使ったり、温めたりなどの対処法を試してみてください。
ただし、設備を破損させないためにも、止水栓の扱いには細心の注意が必要です。無理に止水栓を回そうとすると、破損やトラブルの悪化を招く恐れがあるため、不安な場合は専門業者に依頼するのがおすすめです。
水のトラブルサポートセンターでは、24時間365日フリーダイヤルで相談を受け付けています。ネット割引で最大3,000円引きが適用されるため、止水栓のトラブルでお困りの際はご活用ください。
【水トラブルのことなら】どんな小さなことでもお気軽にご相談ください!
【受付時間】24時間365日対応|お見積り0円・出張費0円・深夜割増0円
関連記事
水トラブログのコラム一覧
水トラブログ編集部
最終記事更新日:2025.07.08