最終更新日:2025.06.04 水トラブログ
ウォーターハンマー(水撃)現象とは?原因と対策をわかりやすく解説
使っていた水道を止めたタイミングで、どこからか「ゴン」「ガン」「コンコン」といった大きな音が聞こえたことはありませんか。大きな音がする現象は「ウォーターハンマー」という現象です。ウォーターハンマー(水撃)現象は、放置すると深刻なトラブルに発展することもあります。
この記事では、ウォーターハンマーが起こる原因や危険性、種類を紹介します。また、配管への影響や対策方法なども解説するので、ご自宅でウォーターハンマーが起こっている方は、ぜひ参考になさってみてください。
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ウォーターハンマー(水撃)現象とは
ウォーターハンマーとは、「流速の急激な変化により管内圧力が過渡的に上昇または下降する現象」のことです。
配管内を普通に水が流れているときは、圧力も一定しており穏やかです。
ところが、末端で水の流れを止めると流れていた水が行き場を失って圧力がどんどん上昇し、衝撃音が生じます。
また、水を供給していたポンプが止まると、水は先端に流れていくので途中で圧力の低い箇所が発生し、圧力の高い箇所と低い箇所の差で、水同士が衝突して衝撃音が生じます。
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ウォーターハンマーの危険性
音が鳴っているだけだからと、ウォーターハンマーを放置していると、さまざまな危険があります。
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水道管への被害
水道管内の圧力が継続的にかかっている状態になるので、水道管へのダメージが蓄積されていきます。その結果、水道管破裂につながったり、亀裂が入ったりして水漏れを起こします。壁の中で水道管が破裂して水漏れを起こすと、部屋が水浸しになったり近隣へ被害が広がることもあります。
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給湯器や洗濯機などの周辺機器への影響
直接ではなくても何度も圧力がかかると給湯器、洗濯機、食洗器などの周辺機器にもダメージを与えます。そのまま放置すると、機器本体やつながっている配管が少しずつ劣化し故障につながることもあります。給湯器の場合は、センサーのダメージから誤作動を起こし最終的には寿命を縮めることになりかねません。
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配管の接続部、配管支持部への影響
継続的に受ける圧力と振動は、接続部や支持部にも深刻な影響をおよぼします。接続部の緩みによって起こる水漏れや、支持部の破損によって起こる配管破裂など重大な事故を起こす恐れがあります。
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ウォーターハンマーにはどのような種類があるのか?
ウォーターハンマー現象には「圧力上昇ウォーターハンマー」と「水柱分離ウォーターハンマー」の2種類があります。それぞれの違いを説明します。
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水道管内の急激な圧力上昇が引き起こす衝撃作用
配管内の圧力が急激に上昇して起こる現象です。シングルレバー水栓で起こることが多いようです。レバーを下げることで水が止まるので、急に水流が止まることになり行き場のなくなった水で配管内の圧力がどんどん上昇し、配管内で衝撃音が発生します。
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配管内で水柱が切れることで生じる水撃作用
水柱分離は、ポンプで水を汲み上げて使っている水道で起こることが多いようです。ポンプが止まって水の供給が止まると水はそのまま先端に流れていきますが、水の供給がないので途中で圧力が低い箇所ができます。すると、水は圧力が低いところに集まってくるので、水同士が衝突して衝撃音が発生します。
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ウォーターハンマーの衝撃で発生する配管の問題点
ウォーターハンマーを放置すると、配管へのダメージが進み深刻な被害が出る恐れがあり、集合住宅の場合は近隣にご迷惑をかけることもあります。
ここでは、ウォーターハンマーの衝撃でどのような問題が起きるのか解説します。
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配管の亀裂・損傷
ウォーターハンマーが起こっていると、水を止めるたびに配管の内側から圧力がかかり続けることになります。その結果、配管の損傷につながり亀裂が入ったりします。
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配管の接続部分からの水漏れ
ウォーターハンマーは圧力変動なので衝撃が大きく、起こるたびに配管が揺れます。そのような揺れが継続的に起こると、接続部のナットなどの緩みや割れにつながり壁の中で水漏れを起こします。壁の中の水漏れは何か被害が出てから発見されることも多く、修理費用もかかります。
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衝撃音や振動が引き起こす騒音
集合住宅の場合、上下階やお隣の家にも衝撃音や振動が伝わっていきます。原因不明の大きな音や、家の揺れは不快感、不安感を招きます。また、深夜や就寝中に起こると苦情に発展しかねません。近隣トラブルの原因にもなるので速やかに対処しましょう。
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ウォーターハンマーを防ぐための効果的な対策方法
ウォーターハンマー現象が確認できたら、下記の対策をとってみましょう。
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水道の元栓を少しきつめに絞る
水道の元栓を少しきつく締めると、水道管の中を通る水の量が減って勢いが弱くなります。その結果、水を止めたときの急激な圧力変動も弱くなります。
しかし、締めすぎると蛇口やシャワーの水圧が弱くなったり、給湯器が使えなくなったりしますので締め具合には気を付けましょう。
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ゆっくり蛇口締める
急激な水流の変化が起きないよう水を止めるときはゆっくり締めることで、ウォーターハンマーを防ぐことができます。ハンドルタイプの蛇口は締め切るまでの回転を3回くらいに分けて回します。とくに、最後の1/3は極力ゆっくり締めるようにしてみてください。
シングルレバータイプの蛇口はキュッと素早くレバーを動かしてしまいますが、こちらもハンドルタイプと同様、極力ゆっくりとレバーを下げるようにしましょう。とくに、最後の締め切る前の段階ではそっと置くようにすると効果的です。
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水撃防止器を取り付ける
ウォーターハンマーを防止するには、水撃防止器を取り付けることも有効です。水撃防止器とは、文字通り「水撃現象」を防止する機器です。水撃防止器を付けることにより、水の勢いが抑えられて衝撃音の発生の抑制につながります。自分での取り付けも可能ですが、水栓の種類によって使う機器が異なります。
また、ウォーターハンマーが起こっている箇所によっても適合する機器が異なるため、自分で選定が難しい場合は専門業者に依頼するのがおすすめです。
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ウォーターハンマー現象でお困りなら水のトラブルサポートセンターへ
ウォーターハンマー現象はさまざまな要因で起こることが多く、対策法もあります。
この記事で紹介した水撃防止器以外にも、水栓自体に経験装置が付いている物や止水栓に付ける軽減ソケットなどもあります。また、配管の傷みが進んでいる場合、水道管の交換になることもあります。ウォーターハンマー現象は水が漏れている、詰まって流れないなど、直接的な被害がないので放置されがちです。
しかし、水回りの設備や場合によっては家屋にも影響が及んだり、近隣トラブルの原因にもなりかねませんので、音に気付いたらぜひ水のトラブルサポートセンターにご相談ください。出張料、深夜料金は一切かかりません。お見積りも無料なので、安心してご連絡ください。
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水トラブログ編集部
最終記事更新日:2025.07.08