最終更新日:2025.04.30 水道管
水道管が破裂したときの対処方法は?原因や利用できる制度とあわせて解説
「水道管が破裂する原因は?どれくらいで直る?」
「賃貸やマンションの場合、修理代は誰が払う?」
「水道管の破裂は、どうやってわかるの?」
水道管の破裂は、屋内外を問わず大きな被害をもたらすトラブルです。
大量の水が流れ出すため被害が広がりやすく、不安に思う方も多いでしょう。
とくに冬場は、凍結による破裂が多発します。気温が何度から危険なのか、どのような症状が現れるのか、あらかじめ把握して対策しておくことが大切です。
ただし、もし実際に破裂した場合は、応急処置として水を止めることはできても、基本的に自分で修理はできません。状況に応じて専門業者への連絡や、適切な対応が必要になります。
この記事では、水道管が破裂したときに取るべき対処法や主な原因、修理費用の目安について解説します。こうしたトラブルの際に利用できる制度も合わせて紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
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水道管が破裂したときの対処方法と応急処置
急に水道管が破裂したら誰でも慌ててしまいますが、まずは応急処置をおこないましょう。
以下の手順に沿って対応することで、被害を最小限に抑えられます。
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止水栓を閉める
水道管が破裂したら、最初に止水栓を閉めましょう。
止水栓とは、水の供給を一時的に止めたり、水量を調節したりする設備です。水道管の途中に設置されており、止水栓を閉めることで水の供給が止まるため、被害の拡大を防げます。
止水栓は屋内の水回りごとに設置されているほか、家全体の水を止める止水栓(元栓)が屋外にあるのが一般的です。
破裂した箇所が特定できる場合は、その箇所の止水栓を優先して閉めます。見つからない場合は、屋外の止水栓を閉めてください。
止水栓の場所は住居によって異なりますが、一般的には以下の場所にあります。
・一戸建てや小規模アパート:「量水器」と書かれた屋外のメーターボックス内
・マンション:玄関横のパイプシャフト内にある、水道メーターの近く
止水栓は以下のように複数の種類がありますが、通常は右に回せば閉まります。
・ハンドル式:蛇口のような見た目で、手で回すタイプ
・ドライバー式、内ネジ式:専用の工具やマイナスドライバーを使って回すタイプ
※参考:東京都水道局「水が止まらない」
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応急処置として破裂した箇所をタオルやテープで補修する
止水栓を閉めて水が止まったら、以下の手順で破裂箇所に応急処置をします。
■用意する物
・タオルや古布
・ビニールテープやガムテープ(あれば配管補修用テープ)
・バケツ
■手順
1.破裂箇所にタオルや古布を巻き、テープを巻いてしっかり固定する
2.濡れた部分を拭き取り、破裂箇所の下にバケツを置いて水漏れに備える
3.タオルが水を吸ってきたら、新しいものに交換する
ただし、これはあくまでも一時的な応急処置のため、このまま使い続けるのはおすすめしません。早めに業者に連絡し、修理を依頼してください。
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水道局指定業者に修理を依頼する
応急処置を終えたら、すぐに業者や管理会社に連絡して修理を依頼しましょう。
無理に自分で直そうとすると、水道管の損傷が広がったり、ほかの設備に影響を与えたりする恐れがあります。
業者と管理会社のどちらに連絡すべきかは、住居の形態によって変わります。
・アパートなどの賃貸住宅やマンションの場合:大家または管理会社に連絡
・自己所有の戸建て住宅の場合:居住地域の水道局指定業者(指定給水装置工事事業者)に連絡
水道管の破裂は、緊急性の高いトラブルです。いざというときに慌てずに済むよう、普段から連絡先を確認しておくことをおすすめします。
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周辺の状況を確認する
業者や管理会社への連絡を済ませたら、周囲の被害状況を確認しましょう。
屋内で水道管が破裂した場合は、床が濡れていることが多いため、修理作業の妨げにならないよう水を拭き取っておきます。家具や家電は水気をしっかり拭き取り、安全な場所へ移動させてください。
また、階下への水漏れがないかも確認しましょう。早めに対応しておくことで、住民間でのトラブルを防げます。
屋外で水道管が破裂した場合は、近隣に水濡れによる被害や迷惑がかかっていないかを確認します。
近隣の方に直接声をかけづらいときは、管理人に同行してもらったり、代わりに伝えてもらったりする方法も有効です。
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水道管が破裂する原因
水道管が破裂する原因には、主に以下の3つがあります。
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経年劣化
水道管が破裂する原因の一つは、経年劣化です。
使用年数とともに水道管は徐々に劣化し、耐久性が低下していきます。すると、水道管が水圧に耐えられず、亀裂が入って破裂することがあります。
水道管の寿命は太さや素材、水道の使い方によって異なりますが、一般的なポリエチレン管では40年程度とされています。
しかし、水道管は壁の中や地下に埋設されていることも多く、気付かないうちに劣化が進んでいるケースもあります。そのため、定期的なメンテナンスや耐用年数を把握しておくことが大切です。
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凍結
凍結も水道管が破裂する原因です。水は凍ると体積が増え、水道管を内側から圧迫して破裂を引き起こします。
目安としては、気温がマイナス4度を下回る寒冷地域で凍結リスクが高くなる傾向があります。
ただし、風当たりが強い場所や日陰など、条件によっては気温がそこまで低くなくても凍結する可能性があるため、事前の対策が有効です。
凍結対策としては、水道管に保温チューブを巻く、夜間に少量の水を流し続けるといった方法があります。また、冬場に長期間水道を使用しないときは、あらかじめ水抜きをしておきましょう。
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地震
地震の揺れによって、水道管が破裂することがあります。とくに、古くなって劣化が進んでいる水道管は、小さな揺れでもひび割れたり、破損したりする恐れがあります。
新しい水道管であっても、地震の規模によっては破裂する可能性があるため、油断は禁物です。
「震度いくつで破裂する」といった明確な基準はありません。水道管の状態や揺れの強さによって被害の有無は変わるため、地震が発生した際は揺れが収まったタイミングで水道管の状態を確認しましょう。
壁の中や床下など、見えない場所が気になる場合は、専門業者に点検を依頼すると安心です。
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水道管が破裂したときの被害
水道管が破裂すると、大量の水が一気に漏れ出し、屋内外を問わずさまざまな被害を引き起こします。
早めに気付いて対応できれば被害を抑えられますが、放置すると深刻な二次被害につながる可能性があるため、迅速な対応が重要です。
ここでは、屋内と屋外で水道管が破裂した場合の被害について解説します。
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屋内で水道管が破裂した場合
屋内で水道管が破裂すると、床が水浸しになるだけでなく、家具や家電の故障や、壁や床材の損傷につながる可能性があります。
濡れた床をそのままにしておくと、湿気によってカビの発生や、木材の腐食リスクも高まります。
とくに注意が必要なのは、集合住宅の場合です。水が階下に漏れ出して近隣の住宅にまで被害がおよび、損害賠償などのトラブルに発展するケースもあります。
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屋外で水道管が破裂した場合
屋外での破裂は屋内に比べて気付きにくく、被害が拡大しやすいのが特徴です。
敷地内の地面が水浸しになるだけでなく、水が床下に流れ込み、建物の基礎に悪影響をおよぼす恐れもあります。
被害は敷地内にとどまりません。漏れ出た水が隣家の洗濯物を濡らしたり、エアコンの室外機などに影響を与えたりして、近隣トラブルに発展する場合もあります。
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水道管の破裂を対処するときの注意点
水道管が破裂して応急処置をおこなったあとは、専門的な対処が必要になります。自分ではできない作業もあるため、以下の点に注意してください。
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有資格者でないと水道工事ができない
水道管が破裂した場合、一般の人ができるのはあくまで応急処置までです。たとえ自己所有の住宅であっても、自分の判断で修理するのは避けましょう。
水道管の修理や工事には、高度な専門知識と技術が求められるため、誰でも自由にできるものではありません。
修理作業をおこなえるのは、以下の条件を満たした業者に限られます。
・給水装置工事主任技術者(※1)や水道技術管理者(※2)などの専門資格を保有している
・水道局指定業者(指定給水装置工事事業者)である(※3)
水道管の工事は配管そのものだけでなく、建物や周囲の環境にまで影響を与える可能性があります。資格のない人が無理に修理しようとすると、破損が広がったり、配管が外れたりと、かえって状況を悪化させるリスクがあるため危険です。
水道管の破裂に気付いたら、まずは止水栓を閉めるなどの応急処置をおこない、すぐに指定業者や管理会社に連絡して修理を依頼しましょう。
(※1)参考:国土交通省「指定給水装置工事事業者制度に関する検討会」
(※2)参考:国土交通省「水道技術管理者について」
(※3)参考:東京都水道局「水道工事のお申込先一覧(東京都指定給水装置工事事業者一覧)」
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状況によって相談先が異なる
水道管が破裂した場合、住んでいる住宅の形態によって相談先が異なります。
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アパートなどの賃貸住宅
賃貸住宅に住んでいる場合は、まず大家や管理会社に連絡してください。
自己判断で業者を手配すると、修理費用の負担をめぐってトラブルにつながる恐れがあります。
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自己所有の戸建て住宅
自己所有の戸建て住宅の場合は、地域を管轄する水道局指定業者に連絡し、修理を依頼してください。水道局指定業者は、自治体のホームページなどで確認できます。
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自己所有のマンション
分譲マンションの一室を所有して住んでいる場合、自分で対応できるのは「専有部分」のみです。
専有部分とは、居住スペースにあたる自分の部屋のことです。一方、廊下や階段、エントランスなどの「共用部分」で破裂が起きた場合は、管理会社に連絡して対応してもらう必要があります。
ただし、専有部分と共用部分の境界はマンションによって異なるため、判断できない場合は管理会社に確認してください。
どこに連絡すべきか判断がつかない場合は、水道局指定業者に相談するのがおすすめです。
専門的な視点から的確なアドバイスを受けられます。
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水道管の破裂を修理してもらう際の費用相場
水道管が破裂した際の修理費用は、破損箇所や工事の規模によって大きく変わります。以下は、一般的な修理費用の相場です。
修理箇所 |
修理費用の相場 |
屋内の水道管 |
約20,000円〜 |
床下や壁の中の水道管 |
約30,000〜50,000円 |
配管全体の引き直し |
約20万〜100万円 |
部分的な修理であれば、数万円程度で済むこともあります。しかし、老朽化が進んでいる場合などは、配管全体を引き直す必要があり、修理費用が高額になる可能性もあります。
また、時間帯による割増料金にも注意してください。業者によっては、深夜や早朝の対応に追加料金を設定しているため、依頼する時間帯によっては想定より高額になることがあります。
割増料金が気になるときはぜひ、水のトラブルサポートセンターにご連絡ください。深夜でも割増料金0円で対応しているため、急なトラブルでも安心して相談できます。
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水道管が破裂した際に利用できる制度
水道管が破裂した際に、水道代や修理費用の負担を軽減する制度もあります。条件に当てはまる場合は、積極的に利用しましょう。
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水道料金の減免制度
水道管の破裂による水道料金の増額分を、減免してもらえる制度です。この制度を利用するには、以下の条件を満たす必要があります。
・水道局指定業者に修理依頼する
・減免申請する
申請は業者に代行してもらえる場合もありますが、対応していない場合は自分で申請しなければなりません。
申請方法は自治体によって異なりますが、一般的な流れは以下のとおりです。
1.水道局指定業者に修理依頼する
2.修理前に水漏れ箇所を写真撮影する
3.業者に「漏水修理証明書」を発行してもらう
4.自治体のホームページなどから「減免申請書」を入手し、必要事項を記入する
5.「漏水修理証明書」と「申請書」を水道局へ提出する
6.審査後、減免が認められた場合は水道料金が返金される
注意点として、水漏れによる増額分の全額が補填されるとは限りません。また、減免される金額や条件は自治体によって異なるため、詳細は居住地域の水道局に確認してください。
ただし、故意による破損については対象外になります。また、凍結が原因で水道管が破裂した場合も対象外となるため注意しましょう。
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火災保険の補償制度
水道管が破裂して、建物や家財が水に濡れてしまった場合、以下の火災保険の補償を受けられる可能性があります。
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水漏れ補償
火災保険の「水漏れ補償」は、偶然の事故による水漏れで建物や家財が損害を受けた際に、修理費用などを補償する制度です。
例としては、以下のようなケースの場合に該当する可能性があります。
・凍結による水道管の破裂で、床や壁が濡れた
・上階からの漏水で、天井や家財が被害を受けた
・給排水設備の故障によって、室内に水が漏れた
・洗濯機や給湯器の故障や誤作動で、建物や家財が濡れた
一方で、以下のようなケースの場合は対象外になることが多いです。
・水道管が破裂したが、建物や家財への被害がない場合
・配管の老朽化など、経年劣化が原因の漏水
・居住者の過失による水漏れ
・故意に破損させた場合
さらに、事故の原因となった設備(水道管など)の修理費用についても、通常の水濡れ補償では対象外になることが多いです。
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水道管凍結修理費用保険
保険会社によっては「水道管凍結修理費用保険」が付帯している場合があります。この保険は、凍結によって破裂した水道管の修理費用を補償する保険特約です。
ただし、補償には上限があり、適用される範囲や条件は契約内容によって異なります。加入状況も含めて、あらかじめ確認しておくと安心です。
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水道管の破裂は水のトラブルサポートセンターにご相談を!
水道管が破裂すると、屋内外を問わず大きな被害につながる恐れがあります。まずは落ち着いて止水栓を閉め、被害の拡大を防ぎましょう。
応急処置が済んだら、水道局指定業者や管理会社など、状況に応じて適切な窓口に連絡してください。
水のトラブルサポートセンターでは、24時間365日、フリーダイヤルで相談を受け付けており、地元専属スタッフが最短20分で現場に駆けつけます。
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水トラブログ編集部
最終記事更新日:2025.04.30