頑固な尿石は何で溶ける?こびりつく原因や適切な除去方法を紹介
尿石は、文字どおり尿に含まれている成分が細菌と混じって変質し、便器の表面や床、壁などに残り、徐々に石のように結晶化していった汚れのことです。どんどん蓄積していくと大きくなって詰まりの原因にもなります。
この記事では、尿石が詰まる原因や除去方法、掃除時の注意点を解説します。また、予防策や業者に除去依頼をした際の費用相場も紹介するので、頑固な尿石にお困りの方は参考にしてみてください。
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尿石が詰まる原因
トイレが詰まる原因はさまざまですが、見落としがちなのが尿石です。
尿石は掃除しにくい部分や、便器のフチ裏などで蓄積されて大きくなっていきます。
掃除していない、メンテナンスをしていないと、排水管にも尿石が蓄積されていきます。排水管の中に尿石が徐々に溜まっていき、流れをせき止めてしまった結果、トイレ詰まりが発生します。大きくなった尿石は流れをせき止めるだけではなく、逆流を起こすことも。
また、詰まり以外にも見た目の悪さやひどい悪臭も引き起こします。
詰まり度合いによっては業者に除去依頼をしなければならないケースもあり、除去費用がかかるため、自分で除去できる段階で対処するのがおすすめです。
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簡単にできる!こびりついた頑固な尿石の除去方法
尿石は頑固な汚れではありますが、初期段階であれば自分でも除去が可能です。
いくつか方法がありますが、酸性洗剤を使用されるときは換気をするなど、安全対策もしっかりおこなってください。
ここでは、トイレにこびりついた頑固な尿石の除去方法をいくつか紹介します。
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ラバーカップを使って除去する
トイレ詰まりの解消法として最もポピュラーなラバーカップですが、尿石詰まりも解消できる可能性があります。一般的な使い方と同じで、トイレの排水口にきっちりはめ込んでゆっくり空気を抜くように押し込み、一気に力を込めて引き上げるという作業を数回繰り返します。ラバーカップの圧力で排水管にへばりついていた尿石が落とせたら水が流れるようになりますが、尿石が完全に除去できたとは限らないので、そのあとも注意が必要です。
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酸性洗剤のサンポールで除去する
尿石を溶かすには、酸性洗剤のサンポールを使うのが効果的です。
このサンポールは、大日本除虫菊が販売しているトイレ用洗剤として知られています。通常のトイレ用洗剤は中性タイプが主流ですが、サンポールは非常に強い酸性である点が特徴です。
尿石はアルカリ性のため、中性洗剤では十分に落とすことができません。
そのため、酸性の洗剤を用いる必要があります。サンポールは尿石をしっかり分解できる点もメリットです。 使用時は便器内の水を抜き、規定量を注いでから約30分放置し、その後で水を流します。また、便器のフチ裏には原液を直接塗布する方法も効果的です。
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尿石除去剤デオライトで除去する
デオライトは、強力な酸で尿石を溶かして除去する業務用トイレ洗剤です。
サンポールは排水管までの手前にある尿石には効果的ですが、排水管の奥にできた尿石には届きません。排水管の奥に詰まった尿石に有効的なのが、デオライトです。使用方法はサンポールとほぼ変わりないですが、サンポールより酸性が強いので換気、ゴム手袋着用などの注意事項は必ず確認しましょう。
また、準備できるなら、ゴーグルを着用できればなお安心です。
デオライトにはさまざまな種類があり、酸性の強い物は専門業者でしか購入できないようになっています。一般の人がホームセンターなどで購入できるのは、デオライトLだけです。
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クエン酸と重曹で除去する
クエン酸も酸性なので尿石除去剤として使用できます。前述のサンポールやデオライトは強力な酸性なので、お子様がいるご家庭や肌が敏感な方は取り扱いに十分に注意していても不安が残ります。そのような場合は、クエン酸と重曹を組み合わせての使用がおすすめです。消臭効果も期待できます。
手順としては、水200ml、クエン酸小さじ1杯(約15g)を混ぜてスプレーボトルに入れます。落としたい尿石部分にスプレーを噴きかけて、その上から重曹を万遍なくかけます。30分~1時間程度放置してから、トイレブラシなどでこすり洗いします。1回で落とせない場合は、数回繰り返してみましょう。
また、フチ裏など重曹がふりかけづらい場所は重曹を少量の水で溶いてペースト状にして塗布しましょう。洗い終わったら、しっかり水で流します。
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広範囲な汚れはトイレットペーパーを使う
尿石が付いている箇所が広範囲に及ぶ場合は、トイレットペーパーをパックとして使います。
まずは、掃除したい部分の水気を拭き取って、トイレットペーパーで漏れがないように覆いましょう。その上からサンポールやデオライトを吹きかけて、指定の時間放置します。洗剤の染み込んだトイレットペーパーが全体を覆ってくれるので、広範囲でもじっくり尿石の分解が可能です。
終わったらトイレットペーパーを剥がし、いったん水で洗剤などを流してからたわしやブラシでこすって尿石を落としていきます。取り切れない場合は数回繰り返してみましょう。
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尿石を掃除するときの注意点
尿石を掃除する際は、いくつか注意しなければいけないことがあります。使い方を誤ると、危険な洗剤を使う場合はとくに注意が必要です。事前に注意点を理解したうえで掃除をおこないましょう。
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酸性の洗剤は手荒れする恐れがある
酸性洗剤は手荒れや刺激臭による体調不良の原因になることがあるため、使用時には注意してください。
酸性の洗剤を使用するときは、直接触らないことと換気が重要です。酸性が強い洗剤は直接、手肌に洗剤がかかると危険です。必ずゴムやビニールの手袋をして扱いましょう。手袋のサイズもあまり大きな物だと洗剤ボトルの落下の危険もありますので、自分の手に合った物を選択してください。
また、酸性洗剤には独特な刺激臭があります。気にならない方でも換気をしていないと気分が悪くなることもあります。必ず作業中も窓や扉は開けたままにして、換気をしながらおこなってください。
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洗浄力が高いからといって洗剤を混ぜない
洗浄力が高い洗剤を2つ混ぜたら、2倍の効果が出そうな気になりますが、洗剤は絶対に混ぜてはいけません。酸性の洗剤と塩素系の洗剤が混ざると有毒ガスが発生し、人体への危険な害を及ぼす場合があります。混ぜてはいけない洗剤は、ボトルに「混ぜるな。危険」という表記が目立つように施されているので、注意しましょう。
また、酸性洗剤を使った同じ日に塩素系洗剤は使わないようにしましょう。混ぜるつもりはなくても、残っていた洗剤が反応することもあります。洗剤の取り扱いには十分注意してください。
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便器を傷つけないように掃除する
尿石除去の際は、便器に傷をつけないように掃除をすることも大切です。
尿石は時間経過とともに硬化して頑固に張り付き、だんだん落としにくくなります。尿石を落とすことに必死になり、硬いブラシなどで強くこすってしまうと便器の表面に傷がつきます。見た目には目立たなくても引っかかりができるので、汚れが溜まりやすくなり尿石の蓄積場所になってしまうのです。せっかく尿石が取れても逆効果になってしまいます。
尿石を取る際は、専用の洗剤を使って、時間をかけて溶かしていくことが大切です。頑固な尿石も洗剤を使って少しずつ剥がすようにしましょう。
また、定期的な掃除をすることで初期段階の尿石を除去できるため、便器を傷めることがなく清潔な状態を保つことができます。
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尿石がつくことで起こる悪影響
尿石が付着しているトイレは、まず見た目が悪いです。掃除をしていない不衛生なトイレ、といった印象になるだけでなく、さまざまな影響があります。
尿が尿石になるまでに、化学反応によってアンモニアが生成されアンモニア臭が発生します。アンモニアは、比重が軽いのでどんどん上に上がりトイレから外に漏れ出すのです。そうなると、家全体がアンモニアの臭いで充満する恐れがあります。
また、尿石からカビや雑菌が発生し、カビの胞子が空気中に漂ってしまいアレルギーなどの健康被害を起こしかねません。尿石は排水管の中にも蓄積しており、定期的なメンテナンスをおこなっていないと、排水管に蓄積した尿石で排水の流れが悪くなりトイレ詰まりを起こします。
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尿石がつかないような予防策
トイレに尿石が付着するとさまざまな悪影響があります。また、いったん付いてしまった尿石の除去はとても手間と時間がかかります。普段から尿石がつかないように予防していくことが大切です。
ここでは、尿石がつかないようにするための具体的な予防策を紹介します。
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トイレを使ったら必ず水を流す
トイレを使ったら必ず水を流すことで、尿石の付着を防げます。「水道料金が気になるので、トイレを流すのは数回に1回だけでよい」という人もいるかもしれません。節約や節水の観点では対策になりますが、毎回流さないというのは尿石の付着の原因につながります。
最近のトイレは、水が流れる量を「大」「小」「エコ小」というように細かく分かれているものもあります。水道料金が気になる方はエコ小でも構いませんので、トイレを使ったら都度流すのがおすすめです。
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定期的に掃除をする
尿石は時間経過とともに硬くなっていくため、定期的な掃除が有効です。
とくに、便器のフチ裏のような見逃しがちな場所はいったん尿石がつくと除去も大変です。おすすめは、1週間に1回便器の拭き掃除をすること。
軽くてもよいのでトイレ全体を拭くことで、尿石になる前の段階で拭き取ることができるため、尿石の発生対策に効果があります。最近はトイレ専用の拭き取りシートもあるため、そのような物を利用してできるだけ手間がかからないようにすることで、長続きさせることが大切です。
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男性も座って用を足す
男性も座って排尿することで、床や壁への飛び散りを減らすことができます。立って排尿すると便器からの飛び散りが多くなり、便器の外や床、壁に尿が付着し、悪臭や雑菌の繁殖の原因になるからです。
しかし座っていても、便器のフチ裏や前側への付着は起こりますが、定期的な掃除、拭き取りをおこなうことで尿石の蓄積を防ぐことができます。
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尿石のつきにくい便器の交換を検討する
尿石のつきにくい便器の交換を検討してみましょう。
便器の中でとくに掃除しづらい箇所はフチ裏です。くぼんだ構造になっているため、フチ裏には汚れが溜まりやすい傾向があります。
そのため、最近ではこのフチを取り除いた、汚れに強い便器も登場しています。 掃除のしやすさを重視した設計が進んでいるのです。
加えて、トイレ全体にハウスコーティングを施すという方法も効果的です。このコーティングにより、掃除がぐっと楽になり、日々のお手入れも負担が軽くなります。さらに、臭いの原因となる汚れの付着も抑えられるメリットがあります。
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トイレの尿石除去を専門業者へ依頼した際の費用
尿石除去作業を業者に依頼した場合の費用相場は、軽微な作業であれば5,000~10,000円程度です。ほとんどの場合、業者でないと購入できない強力な薬剤を用いての除去作業となります。
しかし、なかには薬剤では対処できないくらい頑固な尿石や大きくなってしまっている場合は、高圧洗浄が必要になるケースもあります。その際は、状況によって高額になることもありますので、必ず見積もりを取って確認してください。
尿石除去作業の手順や方法は業者によって異なることもありますので、可能であれば数社、見積もりを取ることをおすすめします。
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尿石つまりが改善されなければ水のトラブルサポートセンターへご相談を
この記事では、尿石がつく原因や除去方法、予防策などについてお伝えしました。
尿石は定期的な掃除をやっていると対策できますし、付いてしまっても簡単な作業で起こすことができます。
しかし、長い年月で頑固にこびりついてしまった尿石は、なかなか落とせません。無理に落とそうとして便器を傷つけたりすると、二次被害につながります。
なかなか落ちない尿石にお困りの際は、水のトラブルサポートセンターにご相談ください。365日24時間受付していますので、お気軽にお問い合わせしてください。
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水トラブログ編集部
最終記事更新日:2025.07.08